先日NHKのクローズアップ現代という番組で、子どもへの向精神薬投与が取り上げられていました。普段、ほとんどテレビを見ないのですが、たまたまテレビから聞こえてきた「子どもへの向精神薬の投与」ということばが耳に入ったので、見入ってしまったのです。
番組の解説にはこうありました。
国立精神・神経医療研究センターが行った調査で、発達障害の症状がある子どもに対し、小学校低学年までに向精神薬を処方している専門医が全国で7割にのぼることが明らかになった。重い自閉症やうつ病の症状などに使われてきた向精神薬だが、子どもの脳に及ぼす影響は未解明で、明確な安全基準はない。基準が曖昧なまま進んだ子どもへの安易な投薬。その結果の過酷な現実を伝える。
上半身が揺れ続け止まらなくなった小学生、足先の痙攣が止まらなくなった高校生といった映像から番組が始まります。向精神薬とは精神安定剤や抗うつ薬、睡眠薬など精神に影響を及ぼす薬剤の総称だそうですが、子どもへ処方するための明確な基準がなく、その副作用に苦しんでいる子どもがいるのだそうです。
厚生労働省の調査では発達障害や精神疾患で精神科を受診した子どもの数が平成20年にはおよそ15万人と平成8年に比べて2倍になっているそうです。この数字とその増え方にも驚きますが、さらに驚いたのは国立精神・神経医療研究センターが行った調査で、就学前に精神科を受診している子が39パーセント、小学校低学年で受診している子が36パーセント、両方合わせると小学校低学年までに精神科を受診している子どもが全体のが7割以上にのぼるということです。そして、こうした子どもたちに対する危険性や適量などの基準が明確でないまま処方されていることがあるそうです。
国立精神・神経医療研究センターが行った精神科の医師へのアンケートが紹介されていましたが、興奮を抑える薬を3〜4歳から、睡眠障害を押さえる薬を1〜2歳で処方したという回答もあったそうです。重篤な副作用に不安を覚えながら、内心ヒヤヒヤしながら処方しているとういう医師の意見も紹介されていました。
もちろん薬の服用が必要でなおかつ有効なケースもあるはずなので、簡単に全てが良いとか悪いとかいうことはできませんが、私はどこか心配です。