園長ブログ

いのちのめぐり

2012/07/22

以前非常勤で勤務していた調理師さんが栽培活動についてこんなことを言っていました。

みんな、畑で作物を育てるが、収穫してそれで終わってしまうのは残念だ。種から植えたのなら、次に種が取れるまで子どもに見せてあげると、子どもがいのちのめぐりを感じられる。

もちろん野菜を収穫して食べることもとても良いことだと思いますし、事実子どもたちは、あまり好きではない野菜でも自分で育てたものだとおいしそうに食べます。子どもは野菜が育つことを経験できますし、興味を持ち手間暇かけて大切に育てたものはおいしく食べられるのです。食育という観点からも大切な取り組みです。

それに加えて、栽培活動を通して「いのち」がめぐっているということも感じてくれると良いと思っています。そのために畑で作物を育てることにしました。どうせやるなら、自然農法で栽培してみようと思い立ち、詳しい農家の方に指導していただいて始めて見ました。まずは冬になる前に、落ち葉と米糠を多めに畑にまいておきました。6月になってご指導いただいている農家の方にお願いして、苗を分けてもらって植えました。植えたのは、トマト、なす。とうもろこし、大豆で、どれも固定種とか原種といわれるものを農家の方が自然農法で大切に育てられたものです。それを持って来て、植え方をご指導くださいました。

なぜそんなことをするかというと、現在ホームセンターや園芸店で販売されている野菜の種は、F1(first filial 雑種第1代)品種といって交配して作られた種です。F1品種を植えて、そこから種をとることはほとんどできないそうです。つまり一代限りです。大きくて、味が良くて、収量が多くて、虫に強く、均質で、収穫後も日持ちが良いなど、製品として育てるのに都合の良い性質を良いとこ取りして作られた品種なのです。種を取りたいのですから、F1品種を植えるわけにはいきません。ですから、無理をお願いして、昔からある種類のものをいただいたのです。

まず、今年は種を取ることが目的です。うまく実って種が取れるのでしょうか。とても楽しみな反面、少し心配もしています。だって農家の方が苦労して育ててくださった苗をお嫁か里子にもらったみたいなものですから、しっかり育てないと親である農家の方に申し訳ないのです。

ホスピタリティー

2012/07/21

「全てのゲストにハピネスを提供する」というミッション(理念)に向かって、1万人近くのキャスト(従業員)がチームとしてそれぞれの役割を果たしているディズニーリゾート。膨大なマニュアルや、服装や身だしなみをはじめとした様々な規則があるそうですが、マニュアルや規則だけでは、ゲストのリピート率98パーセントを達成することはできないでしょう。マニュアルや規則プラスアルファがあるのです。

講師はホスピタリティーということをおっしゃっていました。ホスピタリティーというと、よく「おもてなし」といわれますが、講師は、相手への思いやり、しかもただの思いやりではなく、「主体的な思いやり」ということばを使って表現されていました。

ホスピタリティの語源は、ラテン語の Hospics「客や旅人の保護」という意味だそうです。英語のHospital(病院)やHospice(ホスピス)なども語源が同じだと考えるとイメージしやすいかもしれません。一方、「あの店はサービスが良い」というように使われる、サービスの語源は、ラテン語の Servus「奴隷」だそうです。つまり、サービスには主従関係や義務というニュアンスが含まれるのです。サービスは、やらされたり、義務的にしなくてはならないのですが、ホスピタリティーは自らが主体的に持つ「相手への思いやり」なのです。そして、思いやりに基づいた行動が生まれるのです。

これは、お店であれば、お客様への思いやりですし、保育園であれば子どもへの思いやりです。まずは、子どものことを目配り気配りをしてよく見ていることが大切です。子どものことをよく見ているからこそ、子どもの気持ちになって考える事ができます。そこではじめて、その子に今最も必要なことは何かがわかり、適切な行動がとれるのです。

そして、「最近ありがとうといわれたことがありますか」という問いかけがありました。「ありがとう」が多いところはホスピタリティーに溢れているのだそうです。いつも批判したり、誰かの性にするのではなく、感謝の気持ちをもつからこそ自分が成長でき、他の人との信頼関係も築くことができるのではないでしょうか。

例え業種は違っても、学ぶべきことがとても多い講演でした。ありがとうございました。

ミッション

2012/07/20

ディズニーの教え方に学ぶなかで、講師はミッション(理念)をしっかりと見据え、全員がミッション(理念)に向かって進むことが大切だということが第一にあげられていました。ミッション(理念)は覚えさせると言っても良いくらい徹底して伝えるそうです。ことばとして覚えることももちろんですが、それを理解して自分のことばで表すことができ、それに沿って行動できる。そうなって初めて、仕事ができるのです。

いつもこのミッション(理念)に向かっているかどうかを見つめ直さないと、いつのまにかミッション(理念)を見失ってしまうことも、講師の経験から伝えてくださいました。カヌーを漕ぐアトラクションがあるそうですが、そこに配属になった時に「全てのゲストにハピネスを提供する」がミッション(理念)のはずなのに「カヌーを漕ぐ」ことが目指す目標になっていると感じ、何とか方向修正をしようと努力されたそうです。全員を敵に回したようになり、体調も崩し、仕事も辞めようと思ったこともあった。それでもみんなを信じ、ミッション(理念)は何かを伝え、ご自身もそれまでに増してミッション(理念)に向かうよう実践し続られたそうです。その努力を続けることで、徐々にみんなが変わってきたとおっしゃっていました。よく言われることですが「自分が変われば人も変われる」ということです。
思わず自分自身に引き当てて考えてしまいました。「みんなのいのちが輝く保育園」を目指して、自分はここまでの努力をしているだろうかと反省しました。

そしてミッション(理念)を形にするために、行動指針があり、マニュアルがあるそうです。このマニュアルということばに私は少し抵抗を感じたのですが、講師はマニュアルは基本で、基本がなければハピネスは提供できないとおっしゃっていました。つまり、マニュアルを覚えることは基礎学力をつけるのと同じで、それがあって初めて向上できるということなのかもしれません。確かにアトラクションを安全に運行するためには、様々な機械の操作や、安全な乗降はどうするのかなど、全てに決まりが必要ですし、身だしなみにも細かな決まりがあるそうです。そうした方がみんながわかりやすいですね。

保育は「今の子どもの姿」からスタートするので、一様に決められないことが多いので、マニュアル化するのは難しいと思いますが、マニュアル化しなくてはならないことやした方が良いことがらもあります。何をマニュアル化するのかしないのか、よく考えてみる必要があります。

そして「マニュアル通りでは感動しない。」という講師のことばにもあるように、マニュアルプラスアルファの部分こそが大切なのだと思います。プラスアルファのためには、それぞれがミッション(理念)に向かって自分の役割を果たすことができるチームワークが重要なようです。

感動

2012/07/19

ディズニーリゾートのキャスト(従業員)の地震発生時の対応が良かったこと。それは、全キャストが「すべてのゲストに ハピネス を提供する」というミッション(理念)のもと、「安全」「礼儀正しさ」「ショー」「効率」という行動指針に基づいて、自ら行動しているからだということがわかりました。

これが、CS(Customer Satisfaction 顧客満足)を高めることにつながっているのですが、大切なのが、キャストが自らの意思で主体的に考え、動くことです。その原動力となっているのが、ES(Employee Satisfaction 従業員満足)とJS(Job Satisfaction 職務満足・働きがい)だそうです。講師はこのCS・ES・JSを自転車に例えて説明してくださいました。CSが自転車の前輪ESとJSが後輪、そしてフレームが組織、設備などその他の全てです。ESとJSがうまく回って駆動力となるからこそCSもうまくまわり、フレームを含めた自転車が前に進めるという例えです。

考えてみれば当たり前のことです。職員が仕事に満足し、働きがいを持って積極的に職務に望むからこそ、良い仕事ができるのです。しかし実際にそうするためには、全員がしっかりと理念に向かうことが大切で、理念が全身に染みつくくらい浸透する努力が必要なのです。

そして、ディズニーのCS(顧客満足)は「小さな感動をたくさんつくる」ことで生まれています。建物がいつもきれいなのは、閉園後に建物を洗うキャストがきれいにしているからですし、芝生がいつも青いのは、開園まえに芝生の刈れたところを切り取って青い芝生を植えているからなのです。こういった努力から生まれる小さな感動の中から大きな感動が生まれるそうです。アトラクションでゲストが落としたコンタクトレンズを、閉園後にアトラクションの担当キャストだけでなく、清掃キャストにも手伝ってもらって探し出したというのです。普通なら「しょうがないね。」とあきらめてしまいそうなところをここまでできるのは、何なのだろうと思ってしまいます。もっと感動的な話しもあって、聞きながら一人で涙が出そうになっていました。

当園の職員にもディズニーリゾートのファンがいて、毎年ディズニーリゾートを訪れています。その職員にディズニーリゾートの魅力って何?と聞いてみたことがありますが、「ホントに夢の国なんです。」といっていました。しっかりとミッション(理念)を見つめて、自ら努力しているキャストがいるからなんですね。

私はディズニーランドが開園した頃に1度だけ行ったことがありますが、講演を聞いていて、また行ってみたくなりました。

ディズニー

2012/07/18

近畿地方で梅雨明けが発表されて、急に夏空が広がり暑くなってきました。京都の梅雨は祇園祭の山鉾巡行とともに明けると言われることがあるそうですが、本当にその通りとなりました。今日から梅雨明け、といっても昨日まで降っていた雨が急に上がって晴れるということはないはずですが、先日の豪雨のあとは良く晴れて梅雨明けとなったようです。各地で気温が上がり、熱中症が心配されます。今のところ、鞍馬は比較的涼しく、風があると過ごしやすい感じです。園庭では早速プール遊びが始まっていました。

一ヶ月ほど前のことになります。京都保育研究集会に参加しました。午前中は講演、午後から分科会という構成で、講演も分科会も聞いてみたい内容だったので、参加を申し込みました。

講演の講師は、JSパートナー株式会社代表取締役 福島 文二郎 氏です。福島氏は東京ディズニーランドを運営する株式会社オリエンタルランドで、様々な研修や教育プログラムを企画、実施してこられ、現在は、JSパートナー株式会社を設立し、研修や教育を中心としたコンサルティングや講演を行っていらっしゃいます。著書『9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方』が人気です。私も前にこの本を読んだことがあり、職員が理念を自分のこととして日々の仕事に取り組む。そんな姿勢を育むためには何が大切なのか。という私の課題に近い内容だと思って興味を持っていました。

講演は、「東日本大震災が起こったとき、ディズニーリゾートで一番怖い思いをしていたのは誰だと思いますか。」という質問から始まりました。答えは「子どもたち」だったそうです。そんな子どもたちの不安をなんとかやわらげ、より安全でいられるようにするためには、何をすれば良いのか。とっさにそう考えた現場のキャスト(ディズニーでは従業員のことをこう呼びます)はショップの棚にあった売り物のぬいぐるみを、「安心して!ミッキーが守ってくれるからね!」とことばを添えて配ったそうです。その後も、ゲストの安全と安心のために様々な工夫を凝らした対応がなされたことは、多くのメディアで取り上げられているのでよくご存じの方も多いでしょう。

最初にぬいぐるみを渡したのは、現場の若いキャストだそうです。なぜ、若いアルバイトのキャストにそんなことができたのか。それはディズニーの全てのキャストが「全てのゲストに ハピネス を提供する」というミッション(理念)のもと、4つの行動指針により行動することを常に考え実践しているからだそうです。キャストの全てが、このミッションと行動指針によって、今最も必要なことは何かを考え行動しているというのです。

売り物のぬいぐるみを配るという行為は、一人のアルバイトキャストが最初に行ったそうですが、それによって安心する子どもの姿を見たショップのマネージャーが他のショップにもそのことを伝えたことで、他でも行われたのだということでした。

行動指針の一番最初にあるのが「安全」だそうです。ゲストの安全が守れ、安心を差し上げられてはじめてハピネスを提供できるからです。ゲストの安全と安心を守るためには、例え売り物のぬいぐるみでも配ってしまうことをも積極的に行うのです。

何を大切にして、そのためにはどう行動するか。キャスト一人一人が自分のこととして考え実践する企業風土がしっかりと根付いているのですね。

懐かしい顔

2012/07/17

先日、主任が「○○さんから電話がありました。」というのですが、私には○○さんがわかりません。早くもボケたかなと思って首をかしげていたら、「卒園児の○○さんですよ」と主任。どこかの園の先生か、業者さんか、役所の方、くらいの範囲で考えていたので、思い当たるはずもありません。

今度の水曜日に園に来たいのだが、予定を聞かせて欲しいという内容だったようです。たまたまその日のその時間は空いていたので、園で会うことにしました。それにしても、懐かしい限りです。私が保育園に関わり始めたころに卒園した子なので、卒園から20年以上になります。

約束の時間、やってきた顔は卒園したときのままと言って良いくらいです。大人になると、あまりわからなくなってしまう人が多いのですが、彼は子どもの頃からそのまま大きくなったたという感じです。近況を聞くと、営業職として頑張っているとのこと。後輩の指導など悩むこともあるが、仕事はおもしろいといいます。とても頼もしく思えて、嬉しくなりました。

保育園も園児が20人ほどしかいなかった当時から比べると、園児数も増えて随分変わったことを伝え、園内を案内しました。ここであんなことした。あそこはこんなだった。ここが変わった。建物が小さくなったように感じる。などと彼が話すのを聞いていると、当時のことが昨日のように思い出されます。

私が「泣き虫でいつもめそめそしたいたなー」というと、「先生とは思いっきり走って追いかけっこをしたり、かたぐるまをしてもらったり、いっぱい遊びましたね。」というので、当時は体力があったから、思いっきり一緒に遊んでたことを思い出しました。彼が、園児達が園庭で元気に遊んでいるのを見ながら「考えてみるとあの頃先生は、今のボクと同じくらいの年だったんですね。そんな風に思うと不思議です。」といいます。本当に時間の経つのは早いものです。ボケッとしている暇はないなーと感じました。

ひとしきり、当時の話をして盛り上がったあと、今日はお願いがあって来たのだと言います。何かと思ったら、今度結婚することになったので、是非結婚式に出席して欲しいということでした。

普通は、大学の先生など、何らかの指針を示してくれた人やとてもお世話になった人などに頼むのではないのかと思いましたし、少し遠慮もあったので、「保育園時代という今から一番遠い過去に縁のあった私で良いの。」とたずねると、「ボクにとっては、保育園のときのことが一番思い出に残っているんです。」と答えてくれました。

とても、嬉しかったと同時に、「乳幼児期の経験が大人になった時に大切な意味をもっているのだ。子どもが今を主体的に最も良く生き、将来より良い社会を構築することができるようにしっかり育てているか?」と改めて問い直されている気がして自然と背筋が伸びました。

後日、結婚式の招待状が届きました。喜んで出席させていただくつもりです。

豪雨

2012/07/16

7月15日の早朝、ゴーという雨の音と雷鳴で目が覚めたのは、午前4時過ぎ。崖が崩れたり川が氾濫していないかなと少し心配になりましたが、そのまましばらくうとうとしてしまい、もう一度目覚めたのは5時前、依然としてものすごい音を立てて雨が降っています。ずっとこの勢いで降り続いているのなら、ちょっと危ないかもしれないと思い、起きて外を見てみると、少し先もかすんでしまうほどの豪雨です。夕立のように短時間ならこんな降り方もあるかもしれませんが、長い時間降り続くのは珍しくちょっと心配になりました。

    すぐ近くの土砂崩れ

まずは室内から見える範囲で異常が無いか確認してみたら、いつもは少し水が流れている谷から大量の水が出ていて、かなりの量の土砂も一緒に押し流されてきていました。別の谷川は溢れるまではいきませんが、大量の濁流が暴れていて、時々大きな石がゴンゴンと音を立てて流されてゆきます。雨の勢いは衰える気配はありません。

園の裏山をはじめ、山の中で土砂崩れが起こっていないか心配になりましたが、外にでるのは危険だと思ってしばらく様子を見ていました。6時前になって雨が小降りになったので外に出てみると、被害は谷筋の土砂崩れくらいで、一安心。

     冠水した鞍馬街道

京都府から記録的短時間大雨情報、指定河川洪水予報(鴨川・高野川)、土砂災害警戒情報などのメールがどんどん入ってきます。

部活があるといって出かけた中学生の次男が戻ってきて、電車が動いていないので送って欲しいといいます。叡山電車が土砂崩れか何かで不通になっているようです。
車で出かけてみると、いたるところで土砂が道路に流れ出ていて、鞍馬街道も一部で冠水しています。消防分団の方々が土砂を取り除いてくださっていました。国際会館方面へ行く道路も冠水していて通行止めです。

     濁流が暴れる鴨川

迂回をして、北山通を東に行き高野川にかかっている橋付近に行くと、土のにおいがあたりに立ちこめています。橋の上から川を見ると濁流が今にも河川敷の遊歩道を洗いそうな高さまで迫っています。こんな水量の高野川を見たのは初めてです。土のにおいは川を流れる泥水においだったのかもしれません。鴨川も同様でした。北の方でこんなに水位が高いのに鴨川と高野川が合流した下流はどうなっているのだろうと河川洪水予報が心配に変わります。

今朝の京都新聞の朝刊一面の豪雨被害の記事には「左京区鞍馬では6時までの1時間に91ミリ」「叡山電車が鞍馬二軒茶屋感で土砂崩れのため運転を取りやめ」と出ていました。

それにしても、急峻な山に囲まれた鞍馬でこの程度の被害ですんだことは幸いだったと思います。京都市内でも北区では川の氾濫により、住宅地が冠水したところもあったようです。九州ではもっと大きな被害が出ているようで、被害に遭われた方々には、お見舞いの気持ちでいっぱいです。

私は実際の被害に遭ったわけではありませんが、激しい雨の降り方だけでもかなり不安になったので、実際に被害に遭われた方の恐怖と不安はどれほどのものだろうと思います。

キャンプファイヤー

2012/07/15

お泊まり保育は、夕食が終わりお腹もいっぱいになって、子どもたちの気分も盛り上がってきました。食後しばらくゆっくりして、キャンプファイヤーです。少し離れたところにある運動場で行うように準備をしていましたが、直前になって雨がぱらぱらしはじめて少しやきもきしましたが、なんとか運動場で行うことができました。

事前に子どもたちが作ったろうそくを並べて火を灯すはずだったのですが、子どもたちが運動場に行ってみると、あるはずのろうそくが、ありません。どうしようと困っていると、山から手紙が飛んできました。保育士が読んで見ると「みんなが作ったろうそくを、からす天狗が隠してしまった。」という内容でした。

さあ大変です。からす天狗が隠したという建物の中に探しに行かなくてはなりません。ただし、暗い建物の中です。しかも建物の4階、2階、1階といろいろなところにろうそくを隠したそうです。それを知った子どもたちは「えー!」と困った様子。でも、取りに行かないことには・・・

そこで、4階まで行くグループ、2階まで行くグループ、1階に行くグループ、どのグループで行くのか子どもたちが自分で選びました。普段おとなしい男の子が、率先して「4階に行く」と手を上げるなど、子どもたちの意外な一面も見られたそうです。そうして勇気をふりしぼって取ってきたろうそくを並べて、いよいよキャンプファイヤーのスタートですが、どうしてキャンプファイヤーに火をつけるのかが問題です。

子どもたちは相談して、火の神様に頼むことにしました。そうして、火の神様からもらったメッセージは、「火が着くようにみんなで心を一つにして祈れ!」というものでした。子どもたちが心を合わせて一生懸命祈ると突然燃えだして、子どもたちは驚いたり、不思議がったりしていました。その火をもらって自分たちのろうそくに灯して並べました。苦労を経て神様から頂いた火を囲んで歌ったり踊ったりしました。「あっ!星が出てる」と子どもが言うので、空を見上げると、雲がすっかりなくなった夜空には星が瞬いていました。ちょうど七夕の夜だったので、みんなで七夕の歌を歌ってキャンプファイヤーを終えました。

キャンプファイヤーだけでも、いろいろなことをたくさん経験した子どもたち、どんなことが心に残ったのでしょうか。

いろいろやってみる

2012/07/14

    おやつの かき氷

園にもどって昼食を済ませ、おひるねから起きるまではいつもと変わらない園での生活です。おひるねから起きると、かき氷やさんがオープンしていて、子どもたちはいつもと違うことを実感します。かき氷やさんは職員から子どもたちへのプレゼントです。さくらんぼや乳酸飲料味のシロップを選んで、もしくは両方をかけていただきます。ほどよい甘みと酸味が口の中に広がり、お代わりしたくなりました。

おやつのあとは、夕食のカレー作りです。自分で何をするか選び、工夫してじゃがいもやにんじんの皮むきをしたり、包丁で切ったり、少しぎこちなくて危なっかしいところもありますが、

  夕食作り きゅうりを切ります。

そこはしっかり職員がサポートします。まな板の上にきゅうりがのっていたので、きゅうりを塩もみでもするのかと思っていたら、カレーに入れるそうです。きゅうり入りのカレーは少し意外でしたが、子どもたちが家の人に聞いてからみんなで相談して入れることを決めた材料なので、どんな味になるのかが楽しみです。材料を切り終えたら、園庭のかまどの上の鍋に入れます。かまどを作って薪を割って鍋にお湯を沸かすことにも子どもたちが挑戦してみようかと思いましたが、今回は職員の役割にしました。

続いて挑戦したのは洗濯です、自分たちの着ていたものを

      洗濯しました

自分たちで作った洗濯板で洗います。洗濯板で洗濯するときは、洗うものに石けんをつけるのが一般的だと思いますが、洗濯板に石けんをこすり着けていた子もいました。これが結構泡立ちが良く洗いやすそうでした。子どもの発想はおもしろいですね。思ったより楽しかったらしく、子どもたちはずいぶん長い間洗っていました。洗濯物をすすいで絞って干したあとはいよいよお風呂です。

プールにためたお湯から湯気が立ち上り、源泉掛け流しの温泉とは言いませんが露天風呂のようで、思わず入りたくなりました。子どもと一緒に飛び込んでいる保育士がいたのも事実です。

  カレーがおいしくできました


お風呂のあとはお待ちかねの夕食。カレーもおいしくできあがり、きゅうりもちょっと変わった食感でおいしくいただっことができました。子どもたちはお腹がすいたのか、おいしかったのか、それとも調子に乗っていたのか、いつもよりずいぶん食べていた子もいました。

買い物

2012/07/13

夕食の食材買い出しから始まったお泊まり保育、栄養士も同行してくれて、どのくらいの量が必要なのか、どんな材料を選ぶと良いのかなどを伝えてくれました。普段なら、にんじん何グラムと発注しているところなのだと思いますが、調理員と相談して大きめのにんじん2本、じゃがいも6個などと子どもたちがわかりやすいように表してくれていました。

八百屋さんに行く前に、商店街のいろいろなお店を「何を売っているところかな」と見てまわります。そして、八百屋さんに到着。早速必要な食材を探します。にんじんはすぐに見つかりました。じゃがいもの前に行くと男爵とメークインの2種類があることに気付いた子どもたちは、「どっちを買うの?」と栄養士に聞いていましたが、栄養士は「お店の人に聞いてみたら」と子どもたちが自分で解決できるよう、お店の人と会話ができるようなことばがけをしていました。たまねぎも新たまねぎと普通のがあり、「新たまねぎは辛いんやで」という子がいたり、「普通のたまねぎの方が安い」などと意見を交わしていました。にんじん、じゃがいも、たまねぎ、きゅうりを購入し、カレールーも購入して、「買いものできたなー!」「あっ!お肉忘れてる!」「お肉やさんどこにあるんやろ?」「八百屋さんのおばちゃんに聞いたら?」といって子どもたちがいろいろと相談していました。

私は、「できるだけ子どもに任せて!」と心がけてはいても、ついつい口出ししてしまいそうになります。子どもたちの買いものに同行した今回も、何度ことばを呑み込んだでしょう。もちろん何も言わないのが良いのではありません。子どもたちに気付いて欲しいことがあれば、子どもたちがどうすれば良いか考えられるように、相談できるようにことばをかけてあげると良いのだと思います。

八百屋さんに教えていただいた通りに行くとお肉屋さんがありましたが、お店があまり広くないので、全員がお店に入るわけにはいかず、子どもたちは話し合って代表を決めていました。お店に入って「牛肉400グラムください」と元気に言った子どもは、「どのお肉にしますか?」とお店の人に聞かれると「一番安いの!」と答えていました。お肉を買ってお店を出ようとすると、お店の方が、これ食べてといってウインナーに衣を着けて揚げたものを人数分くださいました。お店の方のお心遣いに感謝し、みんなでお礼を言ってお店をでました。

時間はたっぷりあったので、最寄り駅から電車に乗って帰るチームと、一駅分歩いてみるチームに分かれて帰りました。途中、荷物が重くて持つのが疲れると交代してあげるなど、お互いに助け合っていました。

いつもなら、「先生〜して!」と頼ってきがちな子も、友達にお願いしたり話し合うようにしていたようです。保育士がどんな魔法をかけたのかわかりませんが、子どもは環境さえ整えば、ちゃんと自分でできるのです。それなのに、どうして子どもを丸ごと信じてあげられず、ああしろ!こうしろ!と指示命令したくなる大人が私も含め、多いのでしょうか。

カレーにはどっちのじゃがいもがいいんですか?

何してるの?そろばんに興味津々の子どもたち

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