園長ブログ

学童保育 5

2012/08/11

今日は、少し蒸し暑さが戻ってきたので、園の机の前に置いている温湿度計を見ると、気温30度、湿度75パーセントを指していました。気温が同じ30度でも湿度50%の爽やかさが恋しくなります。

    よーし!絶対に割るぞ!

学童保育に来ている小学生達は、毎日楽しく過ごしています。8月10日には地域の方もいらしていただいて、子どもたちと楽しい時間を過ごしてくださいました。ちょうど、午後からみんなでスイカ割りをするところにいらしてくださったので、一緒に楽しんでいただけたのではないかと思っています。小学生達はスイカ割りに大興奮、勢い余ってスイカではなく、棒の方を折ってしまう子もいたくらいです。見事スイカが割れたら地域の人も一緒に味わってくださいました。みんなに笑顔が広がって、とても暖かくやわらかな気持ちになりました。                                

     おいしそう!

午前中は、学童保育が使わせていただいている建物の探検をしました。前にも紹介した「やってみたいこと」のひとつにあがっていたので、早速実現です。倉庫になっていてあまり使われていない部屋や、普段ほとんど行くことがない地下室にも行ってみました。

真っ暗な地下室に向かって階段を下りてゆくと、壁が結露で濡れていたり、蜘蛛の巣がはっていたり、映画にでも出てきそうな不気味な雰囲気を味わうことができます。

子どもたちはみんなかなりドキドキしていたと思います。中には「やっぱりやめとく」と怖じ気づく子がいたり、他の子に励まされて気を取り直す子がいたり・・・

小学生の頃って、怖いものに興味がある時期だと思います。怖いながらも目をパチパチさせてキャーキャー言いながら地下室探検をしていました。

お弁当を食べている間は怖い話しで持ちきりだったそうです。「地下室のことを思い出したら夜は寝られない」とか「もう二度と行かない」などと言っていた子も、結局、午後からもう一度地下室探検に行っていたようです。

子どもたちの心に、「あの時はおもしろかったなー」という思いが一つでも残ってくれれば嬉しく思います。

学童保育 4

2012/08/10

みんなの居場所を目指してオープンしたお寺の施設を使って、夏休みの小学生を対象に今まで保育園で行っていた学童保育を少し充実させてスタートしました。毎日10名から20名の子どもたちがやってきては、思い思いの時間を過ごしています。

子どもたちが、その日1日どうして過ごすのか自分で決めて活動しているのは、一見するとバラバラに好き勝手なことをしているかのように見えます。しかし、子どもたちは興味関心に合わせて誰と何をするのか、もしくは一人で何かをするのか自分で考え、友達と相談して決めています。ですから興味関心に従った仲間ができています。今のところ、学校が違うので、ここで始めて顔を合わす子どもたち同士が少し打ち解けられていないところもありますが、徐々に仲良くなって行くと思います。

「誰かのやってみたいことをみんなで実現する」ことに取り組めればと思い、子どもたちにどんなことをやってみたいかを発表してもらうと、いろいろなものが出てきました。学童保育に利用しているのは大きな建物の一部なので、その建物を探検したい・じゃんけん大会・いす取りゲーム・散歩や、夏休みの宿題を終わらせたいという現実的なものから、みんなで、飛行機を作って飛ばしたい・クッキングをしたい・割れないシャボン玉を作りたい・ツリーハウスか木の家を作りたいというものまで、いろいろな希望が出てきました。ほかにもたくさんの希望がありますが、簡単にできるものから実現してゆこうと思います。

上にあげたのは子どもたちの希望ですが、スタッフの「やってみたい」も少し紹介すると、電車に乗って遠出・鞍馬山を越えて貴船に行く・散歩に行って見つけたものを調べて発表・飯ごう炊さん・映画鑑賞から、みんなで一冊のノートに物語を作ってゆく・古文書を読むといったすこし根気のいりそうなものまで、スタッフの「こんなことやってみたい」もたくさんありそうです。

みんなで、力を合わせて形にしてゆけると良いですね。なんだかわくわくしてきました。

学童保育 3

2012/08/09

急に空気がさわやかになり涼しくなってきました。8月8日京都の最高気温は32.6度でした。鞍馬でも気温は30度くらいあり、日向に出ると太陽の光がじりじりと暑いのですが、日陰に入るとスッと汗がひいてとても涼しく感じました。どうしてこんなに過ごしやすいのだろうと、思って湿度計を見てみたら、湿度が高いときで70パーセントくらい、低いときでは50パーセントでした。ついこの間は湿度が80パーセントを越えていることが多く、そんな日は蒸し蒸しと暑く感じました。気温は同じくらいでも、湿度の差がこんなに体感温度に影響するのだと改めて思いました。

今朝の明け方は寒いと思って目が覚め、窓を全て閉めました。秋が近づいて来ています。

活動拠点を得て新たに動き出した学童保育、毎日いろいろな子がやってきています。

前にも紹介したように、お寺が用意してくださった地域のコミュニティースペース「めぐみ精舎」の活動の一部として鞍馬山保育園の学童保育が動き始めるまでは、スタッフが随分話し合いをしました。「めぐみ精舎」の役割、その中での学童保育の位置づけなど、スタッフが共通理解をするにも時間がかかりました。時間はかかっても理念についてはしっかりと共通理解をしなくてはなりません。

そうして、みんなの理解がある程度同じになって来たところで、スタッフひとり一人が学童保育でやってみたいこと、子どもの頃にやってみたかったこと、やってみて楽しかったことを話し合いました。

そんな話しをしてゆく中で、「誰かのやってみたいことをみんなで実現する」ことに挑戦するとおもしろい。という意見が出て、「それ、いいね!」とみんな賛成しました。子どもひとり一人の「こんなことやってみたい」はもちろん、スタッフの「こんなことやってみたい」をみんなで相談し力を合わせて実現するのです。どんなやってみたいことが出てくるのかわかりませんが、実現に向けてみんなで相談して力を合わせて形にしてゆくって楽しそうじゃないですか。

今は、毎日来るメンバーが固定しているわけではなく、子どもたち同士も少し緊張気味なので、意見や思いがたくさん出てくるといところまではいっていないのですが、まずは、自分の意見を述べるうれしさ、誰かの話を聴く楽しさ、みんなで話し合うよろこびを感じられるような取り組みを行ってゆきたいと考えています。

学童保育 2

2012/08/08

夜はすっかり涼しくなったうえに、湿度も比較的低くなってきたので、立秋に入った昨日の夜は今まで全開にしていた窓を半分閉めました。昼間はまだまだ暑いのですが、季節は少しずつ、でも着実に進んでいます。時間はどんどん過ぎてゆきます。積極的に実践を積み重ねる努力をしないと空虚なときが過ぎてゆくばかりです。しかし、焦りは禁物です。

学童保育を充実させたいとの思いから、お寺の施設を使わせていただいて、小学生が活動できる場所と機会とを用意したら、学区を越えてたくさんの小学生達が集まって来て、思い思いの時間を過ごしています。
もともと、それぞれが自分らしくゆったりと過ごすことのできる場所というのが、使わせていただいている、めぐみ精舎の基本的なコンセプトなので、大人が指示や禁止することはできるだけしないようにしています。かといって、何でも好き勝手なことをやり放題というわけではありません。複数の子どもたちがいるわけですから、何でも好き勝手にできるはずがありません。ですから「誰かが困ることはやらないようにしよう」ということだけは伝えています。

学童保育を運営するにあたっての方針を話し合ったとき「子どもが主体的に活動すること」を大前提にしたいという方向性はスタッフ全員で確認しました。そのためにも大人が管理することはできるだけ避けて、子どもたちが自分は何をするのかを自分で決めるようにしました。しかし、必ずやらなくてはならないことはあります。自分たちが使った場所の掃除と、1日最低30分の勉強です。

子どもたちがこの仕組みに慣れて、もっと主体的に活動し、お互いに勉強を教え合ったりするようになり、あそこに行くと勉強がはかどるからうれしい。勉強がわからないときは教えてくれる仲間がいるから心強いと思えるようになると良いと考えます。

しかし最初は、1日の活動メニューの中に、入れなくてはならないものとして、少しだけ選択肢を制限したほうが、計画が立てやすいのかとも思うので、勉強の時間を入れています。

朝、子どもたちは自分で勉強する時間を決めます。朝一番の時間を選ぶ子もいれば、昼食前や午後を選ぶ子もいてそれぞれですが、おとなが何も言わなくても、子どもたちは自分で時計を見て勉強すると決めた時間になると勉強を始めています。必ず30分ではなく1時間以上やっている子もいますし、午前も午後も勉強している子もいます。子どもによって勉強する時間が異なるので、勉強している隣で他の子が遊んでいるという状態ですが、それでも自分で決めたことは自分でちゃんとやっています。

もし、今後不都合なことが出てきたら、子どもたちが相談し合って決められるようにしてゆきたいと考えています。そのためにも、今は子どもたちが自分の意見を述べること、人の意見を聞くこと、話し合うことに慣れるような機会をたくさんつくり、話し合い増やしてゆく事も必要かもしれません。

めぐみ精舎

2012/08/07

暦の上では立秋になりました。今日から処暑までの期間が立秋です。昨日の京都の最高気温は36.6度、今日も35度の予報が出ています。コンクリートとアスファルトに覆われた町中に行くと熱風につつまれ,
オーブンの中にいるかのようで、本当に暑いと感じます。鞍馬では、湿度が高いときはちょっと大変ですが、風が吹いてくると涼しさも感じられ、夜になると虫の声が秋を感じさせてくれるようになりました。

学童保育を充実させたいという願いが、めぐみ精舎という新しくできたお寺の施設を使わせていただくことで形になってきました。

立ち上げる前は園の担当者とお寺の担当者が何度も会議を重ね、「すべてのいのちが輝く」ことを目指す場としてのめぐみ精舎の目的や役割、あり方について話し合い、共通理解を深めました。

その場に集う人たちが自分らしく、自由に過ごすことができる。様々な活動や人との関わりを通していきいきできる。楽しく過ごせる。そして、その中に様々な学びや気づきがある。そんな場であると良いという共通理解にいたりましたが、そこに至るまでは、紆余曲折がありました。

最初はみんなが何をどう考えてよいのかわからない状態でした。具体的に目の前に見えているのが、鞍馬山保育園が行う学童保育です。保育園のスタッフはどうしても学童保育の視点で話してしまう。そうするとお寺のスタッフは頭の中が疑問符でいっぱいになってしまう。といったこともありました。

しかし、皆が心を開いて話し合う中で、お互いがお互いの思いを理解し、誰かの発したことばをきっかけにイメージが明確になったりということを積み重ねてある程度の共通理解はできたと思います。

めぐみ精舎は、みんなが自分らしく、いきいきと楽しく過ごせる居場所。
そしてそこで行われる主な活動は、

・鞍馬山保育園の学童保育
・地域開放
・講演会などの学びの活動

という一応の整理ができました。これらがばらばらにあるのではなく、相互に関わる事が大切です。

そんな位置づけで始めた、めぐみ精舎の活動の一つとしての鞍馬山保育園の学童保育。始まったばかりですが、夏休みということもあって、毎日いろいろな子どもたちがやってきては、楽しく過ごしています。

学童保育 1

2012/08/06

鞍馬山保育園では、学童保育を行っています。といっても、平日の放課後にたくさんの学童が来るというわけではなく、1年生から3年生までという枠を設けているわけでもありません。はじめは、卒園した子どもや園児の兄姉が土曜日や長期休暇に保育園に遊びに来ていました。園児と一緒に過ごしたり、保育士のお手伝いをしたり、小学生だけで遊ぶという過ごし方をしていました。園児がおひるねしている間に、宿題や勉強もしていました。ところが、園児と一緒に過ごしたり、保育のお手伝いばかりでは、小学生の活動が限られてしまって楽しさも少ないだろうと思い、なんとかして小学生の活動が充実しないものかと考えていました。

一方、お寺では子ども向けの図書がたくさんあるので、子ども図書館を作りたいという発想を核に、子どもを中心に高齢者をはじめとした地域の皆さんがいらして、ゆったりと過ごせる場所を作る計画が進んでいました。

3年くらい前になるでしょうか、鞍馬小学校の6年生が自分たちの住む地域の住民にアンケートを行って、地域がこうなると良いというアイデアを考えて発表したことがありました。その中の一つに「ハッピー会館」という構想があったのです。地域にある空き家を借りて、子どもから高齢者までが好きに集える場所を作りたいというアイデアでした。

子ども図書館とハッピー会館のアイデアが一つになった施設がお寺の既存の建物の一部を改装して完成し、「めぐみ精舎」と名付けられました。

ここに集う人たちが大きな慈愛のめぐみに包まれて、そのままの自分でいられる場所にしたいということと、「精舎」というのは僧院、修行者の居る所という意味なので、そこから転じてひとり一人が気づきや学びを得て、育つ場でありたいというのが基本コンセプトです。子どもはもちろんですが、大人も様々なところから学び、育つことが大切だからです。

私たち保育園のスタッフとしては、学童保育を充実させたい。という願いを叶えるにはうってつけの場所ができたわけなので、活用しない手はありません。

そんなわけで、学童保育が新たな展開をはじめ、担当者は少し忙しくなってきました。みんなが楽しめる場所ができてゆくと良いと考えています。

写経会 3

2012/08/05

  

お寺で行われた写経会に参加し、3日間、読経と写経に浸らせていただきました。足が痛かったり、身体が疲れたりもしますが、とても気持ちの良い時間を過ごせたと思います。朝6時から1時間強しっかりと声を出してお経を唱えれば必然的に深い呼吸をすることになりますし、食事は全て精進料理をいただくことができます。写経をしている間は他に何も考えずに書写することに没頭できます。いろいろな雑念が湧いてきて時には写し間違えることもありますが、それはそれで訂正したり書き直せば良いことですし、湧いてくる雑念にとらわれることも徐々に少なくなってゆきます。

     十種供養の法具

この三日間は本当に別の世界で過ごしているようです。道場の荘厳や外の風景など目に映る様々なもの、お香の香り、お経を唱える声、吹きすぎてゆくさわやかな風、口にひろがる含香の香り、いろいろな要素がやわらかく五感に触れてきて、気持ちもゆったりと穏やかになります。朝のお勤めの時にちょうど庭に差し込んでくる朝日に、木々の葉が光を放っているかのように輝く姿が何とも言えず私は好きです。

書写が完成した経典は2日目の夕方には三軸の巻物に調巻され、3日目の法要で経筒に奉入し、寳輿にのせて供養を捧げます。法華経の法師品に説かれる十種供養といわれるものが中心で、華、香、瓔珞・抹香・塗香・焼香・繒蓋・憧旛・衣服・伎楽です。この中の繒蓋・憧旛をあわせて旛蓋とし、それに合掌を加えて十種としています。それぞれを形取った法具があってそれを捧げます。

他にも果物や野菜など普通のお供え物も捧げます。毎年保育園から5歳児と学童保育に参加している小学生がお参りをしてお供えをしています。今年も1時間近く続く法要に参加して、

  道場を見学する子どもたち

お供えをしてくれました。緊張気味にお供え物を捧げる子どもたち、目をくるくるさせながら道場内を興味深げに見ていました。

写経会 2

2012/08/04

写経会は如法写経とか如法経といわれ、平安時代後期ごろから宮中を中心に行われていたという記録が『門葉記』などにあります。慈覚大師円仁が比叡山の横川で法華経を書写したことがその始めだといわれていますが、慈覚大師が一定の法式を定められたわけではないようです。

『門葉記』には如法経の法要の様子がとても詳しく書かれていますが、必ず「法華懺法」という懺悔の行を21日間行ってから写経をしています。その中心は、自己の犯した罪を発露、懺悔することで、眼・耳・鼻・舌・身・意の六根にを清浄にするということです。心身の清浄を得て写経を行ったのです。
現在では21日間に及ぶ法華懺法を行うことは難しいので、法華懺法は朝座のお勤めで唱えています。

現在行っている写経の方法は、手書きで書かれた妙法蓮華経八巻と版木で刷られた無量義経、観普賢菩薩行法経各一巻を、細かく分冊にしたものをお手本にし、そのお手本を見て経文を写経用紙に丁寧に書き写してゆきます。ですから、お経のどの部分を書写することになるのかはその時になってみないとわかりません。特に2冊目以降は、どこのどんな部分を写すことになるのか楽しみです。

私は、書写するのが余り早くないのですが、あまり悠長に書いているわけにもゆかず、かといって急ぎすぎて雑になるのも困ります。今年はいつもより丁寧に書写することに重点を置いてみました。ところが、使われている漢字が旧漢字なので画数が多く書きにくいのです。例えば「観」は「觀」「乗」は「乘」だったりします。もっと画数の多い字もたくさんあります。ですからうまく筆先を整えないとすぐに字が潰れてしまうのです。でも調子がつかめてくると、気持ちよくかけるようになります。私は字が下手なので、決してきれいには書けませんが・・・

2日目の午後の後半に私のところにやってきたのは『観普賢菩薩行法経』の終わりの方の部分でした。三分の二くらい書き終わったところで、他の人はほとんどの人が書き終えて、私が書き終えるのを待ていらっしゃることが、顔を上げて見なくても感じられます。ちょっと焦りましたが、あまり雑にならないよう一生懸命書いたらとても集中できました。お経の内容が舌根の罪障を発露して懺悔することだったのを良く覚えています。

意味は違いますが、我欲を張って自分の言いたいことばかり言うのは慎みなさいとい教えられているように感じました。今まで以上に人の話を傾聴することに力を注ごうと思います。

写経会

2012/08/03

     写経会の道場

今、お寺で行われている如法写経会という行事に参加しています。毎年8月1日から3日まで行われている行事で、実質7月31日の夕方から8月3日のお昼まで、皆さん泊まり込みで参加していらっしゃいます。今年は平日なので、参加者が少なめだと聞きました。特にお仕事をしていらっしゃる男性の方は参加が難しいようです。それでも20数名の方々とともに写経三昧です。

朝は6時から7時30分頃まで朝座のお勤めをします。8月1日は9時から写経に使う水を汲みに行ったあと、写経を始めるための立筆作法をして写経がスタートします。11時半ごろまで写経をして中食。

 いつもと違う時間が流れています

13時から15時まで写経、15時半頃から16時半ごろまで夕座のお勤めです。2日は朝のお勤めは同じですが、9時から11時半まで写経、13時から15時まで写経、そして夕座のお勤めです。2日中に写経を完成させなければなりません。3日も朝座のお勤めは同様に行って、午前中は書写し終え経巻に調巻した経典を経筒に納め、供養をして満行です。

朝夕のお勤めも含めると1日4時間以上、鏡床(板張りの床)に薄い敷物を敷いたところに正座なので、かなり足が痛くなります。そのうえ例年はかなり暑いのですが、今年は風があり、

  

随分涼しく過ごさせていただきました。

でも、本当に大変なのは、準備です。7月に入ったら、お寺の職員さんはほとんど毎日掃除で、あらゆるところをきれいにされています。それと平行していろいろな準備も行われます。夏の暑い時期にかなり大変なことです。写経会が始まったら、もう終わったも同然という人も多いようです。それだけ大変なのです。
お寺の皆さんの掃除はかなり徹底しているので、保育園の職員も掃除の仕方を学ぶお掃除研修に交代で行くこともあります。
ですから、暑かったり足が痛かったりするのは、どうということではないのかもしれません。

写経中は暑いし、足は痛いのですが涼しい風が吹き抜けてゆくととても幸せを感じることができます。まさに「極楽の余り風」かと思えてしまいます。夏の暑いときに涼し風がふくと「極楽の余り風や」とおばあちゃんがいっていたのを思い出しました。

考えてみれば、お経を唱えて、お経を書き写して、また次の日の準備をして、他には何もしないのですから、これほどの幸せはありません。

お昼の誰もいない道場の縁側に座って空を眺めていたら、真っ青な空に白い雲が走り、時々太陽を遮るからか、空がいろいろな色に変化します。木々の緑とのコントラストが美しく、思わず見とれてしまいました。

いつもと違う3日間を過ごしています。

保護者会で

2012/08/02

「皆さんはご自身の子どもさんにどんな人になって欲しいと願っていらっしゃいますか。」先日行った保護者会、冒頭のあいさつで、保護者の皆様にこう尋ねました。

当園では、子どもたちが大きくなったときに、より良い社会を作ってくれることを願っています。それぞれの人がお互いに認め合い、自分が幸せになれるように、そして同時にそれがみんなの幸せにつながるように、自分にできることに全力で取り組む。そしてそのことがなにより楽しい、うれしい、一人ひとりがいきいきできる。そんな社会になることを願っています。

人間はどうして世界中で繁栄しているのでしょうか。それは社会を構成して生きてゆくという生存戦略をとったからだといわれています。別の言い方をすれば、弱くてもみんなで協力することで繁栄してきたのです。そういった理由から考えても、みんなで協力し合うことが必然ですし、理にかなっているのです。そして、その社会のまん中にいるのは子どもやお年寄りなど弱い立場の人なのです。

社会を築き、みんながそれぞれの役割を果たし、力を合わせるために必要なことは何でしょうか。そのひとつは、お互いを認め合うということだと思います。私たち一人ひとりが異なる存在です。民族や人種、国籍の違いというのがありますし、隣の人とは顔かたちや外見はもちろん、感じ方や考え方も異なります。そういった違いがあるということをそのまま認めること、相手を尊重することが、協力し合うことに繋がるのではないでしょうか。

ところが、現在の状況を考えてみると、人間の繁栄を支えてきた大切な戦略のはずの「社会を作ること」が崩壊の危機に瀕しているように見えます。基本にあるはずのお互いを認め合うことが少なくなっているのではないでしょうか。

園の玄関の前にお地蔵様がいらっしゃいます。そこに立て札があり、「子どもはみんな仏の子、子どもは天からの預かりもの、子どもは親の心を写す鏡」と書いてあります。
私たちは、「親」という部分を「保育者」に置き換えて考えています。「大人」に置き換えても良いかもしれません。

考えてみれば当然の話です。「学ぶ」は「まねぶ」だといわれるように、子どもはまねをすることで、様々なことを学んでゆくのです。子どもの全ての言動が学びに繋がっているのです。今更言うことでもありませんが・・・

子ども同士でまねをすることもありますが、大人のまねもします。ですから大人が、お互いを認めることみんなが認め合うことをしていれば、子どもたちはそれをまねします。反対に大人が「誰かが悪いから」と何でも人のせいにして批判ばかりし、攻撃ばかりしていたら、当然子どもたちはそれをまねします。

私は、子どもが、お互いを認め合い、心を開いて話し合って意見を交換し、力を合わせて生きてゆくことを、乳幼児期にこそ経験して欲しいと思っています。そのためにはモデルとなる大人が必要です。

保育園で言えば、モデルとなる大人は職員です。職員が落ち着かずバタバタしていると、子どもも落ち着きません。職員がゆったりした楽しい気持ちでいると、子どももゆったり楽しい気持ちになります。ですから、職員が子どものモデルとなれるよう、お互いが認め合い、力を合わせることに力を入れています。まだまだの部分も多いのですが・・・
誰かのステキな一面に気付いたときの楽しさ、わかり合えたときのうれしさは何ともいえないものがあります。そういった関係が深まるようになりたいと思っています。

保護者の皆さんもそんな輪に加わっていただければと願っています。いろいろな場面で園に関わっていただければと思いますし、そのことで楽しんでいただければと思っています。そのきっかけの一つとなると良いと考え、保護者会後半では少しみんなで動いたり、3〜5人の小さなグループをつくり、職員も加わって話し合いをしました。たとえ少しであっても心を開いて話し合うことは楽しいようで、終了予定の時間を越えても話は尽きない様子でした。

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