園長ブログ

大根の収穫 3

2015/11/29

思ったより手早く大根を収穫した子どもたちは、その場で大根を味わって、大満足。お昼近くなったので、近くの公園でおべんとうを食べる事にして移動しました。おべんとうを広げて食べ始めると、パラパラと雨が降ってきたので、屋根のあるところは移動。おべんとうを食べていると、バスの運転手さんが傘を何本か持って来てくださいました。
とても優しい運転手さんで、子どもたちともよく遊んでくださいました。ちょっとした待ち時間に、子どもが「なべなべ底抜けをやろ!」とさそうと、嫌な顔一つせず、たのしそうに遊んでくださるのです。そういう人には子どもたちは、すぐに仲良くなります。子どもたちには、この人は自分と遊んでくれる人なのか、そうではない人なのかは、すぐにわかるのかもしれません。ときどき、子どもたちには心の奥底まで見透かされているのではないかという気にさせられることがあります。だからこそ、真心を持って子どもと接する必要があるのでしょうね。

大根の収穫 2

2015/11/28

滋賀県の畑でたくさんの大根を収穫した子どもたち、あっという間に200本を超える大根を収穫してくれました。収穫した大根は一緒に来てくださったお寺の方がその場で洗ってくださいますので、収穫した大根を洗う場所まで運ぶ事も子どもたちが行ってくれました。一所懸命に大根を引き抜き、大きな大根を洗うところまで運ぶころには子どもたちは泥だらけになっていましたが、みんなの笑顔はとても満足そうでした。

がんばって大根を運び終えたこどもたちといっしょに、きれいに洗った大根をその場で食べてみることにしました。「大根食べる?」と聞くと、みんな「食べる!」と喜びましたが、大根を切るナイフがありません。仕方ないので、そのままかじってみることに。最初にかじってみた子は「からーい!」としかめっ面をしています。私もかじってみると、たしかに辛いのです。どうやら皮が辛いようなので、皮をむくことにしました。といっても道具は何も無いので、手で剥くしかありません。かじったところを手がかりにむいてゆくと、意外と皮がむけるものです。親指の先が痛くなりましたが、半分くらい皮を剥いてかじってみると、辛さは感じられませんでした。というより、とてもみずみずしくてあまいのです。

これなら子どもたちも大丈夫だろうと思い、勧めてみると、一かじりした子どもは、「おいしい!もっとちょうだい!」と私の前には子どもたちの列ができました。それにしても、子どもたちは正直というか素直というか、おいしいものはすぐにわかるようです。みんなとても喜んで、たくさん食べていました。

畑で採れたばかりの大根をまるかじり!あまり聞いたことはありませんが、なかなかおいしいものです。

大根の収穫 1

2015/11/27

急に寒さがやってきました。今までが暖かかっただけに、とても寒く感じます。もう冬なんですね。北日本は大雪や強風など、大荒れの天気になっているようです。鞍馬もそろそろ雪かもしれません。

冬が近づくと、根菜がおいしくなります。なかでも大根は格別です。煮ても焼いてもおいしいですし、お漬け物にもできます。もちろん生も良いですね。

そんな旬の大根を収穫しに行ってきました。いつもおいもほりでお世話になっている守山の畑では大根を育ててくださっていて、毎年この時期に収穫させていただいているのです。年長児とバスに乗って畑へむかいますが、天気予報は雨マークが出ていたので、ちょっと心配しました。曇は多いものの時折薄日が差すこともあり、何より風がなく比較的気温が高かったので助かりました。少しくらい雨が降ってもレインコートを着て収穫するつもりでいました。

バスにゆられること約45分子どもたちはワクワクする気持ちでいっぱいなはずなのに、はしゃぎすぎることなく、楽しく車内で過ごしていました。

畑に着くと早速長靴に履き替えて、大根に向き合います。いつもそうなんですが、最初は要領がわからず、なかなか引き抜くことができません。少しアドバイスしてあげたり、抜きやすい方法を教えてあげると、子どもはすぐにコツをつかみます。コツをつかんで抜きやすくなると楽しくなってくるのでしょう。ワイワイ言いながら、200本以上ある大根を1時間足らずで全部抜いてしまいました。

子どもたちの顔の楽しそうなこと!ワクワクしながら楽しくてしょうがないという感じでした。子どもたちのいのちが輝いているなー!そう思いました。

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貴船もみじ灯籠 2

2015/11/26

すごい人出で混雑していた貴船もみじ灯籠を見学しに行った一番の目的は、鞍馬小学校の児童が校内キャンプのために作った行灯が、貴船の川に展示されているのを見る事でした。貴船神社から少し南に下ったところに、貴船側の流れが浅くゆるやかになっている場所があります。水面から顔を出している石の上に、100個はありそうな行灯や灯籠に混じって、小学生たちが絵を描いて作った行灯も灯されていました。揺らめくロウソクの明かりが、点々とあること自体が美しいですし、一つひとつの行灯の明かりが川の水面をやさしく照らしている感じもステキでした。

このたくさんの行灯を管理してくださっているのは、鳥居茶屋という料理屋さんのご主人です。雨の日以外は毎日100個近い行灯にローソクを灯してくださるのです。ご自身のお仕事もあるなか、毎日のことなので大変だと思います。それでも子どもたちの行灯に火が入り行灯が活躍できること、子どもたちもうれしいこと、そして観光客の皆さんが喜んでくださること。そのために、毎日毎日ローソクに火を灯してくださっています。大変なことだと思いますが、誰かのよろこびのために、自分のできる努力をする。とても貴重なことですね。

ついつい自分のこと、自分のためのことばかりしてしまいがちですが、皆さんのお役に立つことこに力を尽くすことを大切にしたいと思いました。

20151126_貴船もみじ灯籠2

貴船 もみじ灯籠 1

2015/11/25

貴船では、11月7日から11月29日のあいだ、貴船もみじ灯籠が開催されています。期間中は、叡山電車の二ノ瀬と市原のあいだにある、もみじのトンネルがライトアップされ、そこを通過するときには電車の車内灯が消され、ゆっくりとした速度で走行します。美しく幻想的な赤や黄色が窓の外をゆっくりと流れ、とてもステキです。また、二ノ瀬駅、貴船口駅にあるもみじがライトアップされてこちらも美しいのです。

貴船口駅で叡山電車を降りて、貴船に向かうには貴船口駅から約2キロメートルの道のりをバスに乗るか、歩くしかありません。もちろん自家用車という方法もありますが、道路がとても狭い上に駐車場も少ないため、あまりお勧めできません。

貴船は近すぎてあまり行くことはないのですが、一度行ってみることにしました。選んだ日は11月22日、三連休のまんなかで最も混雑が予想された日ですが、他に日もないので、思い切ってその日に行くことにしました。夕方5時半頃出発。先ず鞍馬から乗る叡山電車で、引っかかりました。地元の者には考えられないような混雑ぶりで、ずいぶんと並ばないと乗れない状況でした。

そこで、貴船口まで車で行き、そこからバスに乗ることにしました。貴船口のバス停に行くとバスに乗るのに、こちらも長蛇の列ができています。何台かのバスがピストンで運行していましたが、長い列は一向に短くなりません。バスは諦めて、約2キロの道のりを歩くことにしました。同じように歩いている人も大勢いらっしゃいますし、車もたくさん通り、狭い道はまさにごった返していました。

こんなに人が多いとは思ってもいなかったので、とても驚きました。

迷子

2015/11/24

お寺の仕事をしていたら、警察から電話がかかってきて80歳女性が、家族とはぐれて迷っていらっしゃるようだが、何色の服を着て、何色のカバンを持った、こういった背格好の方を見かけていませんか?と尋ねられたそうです。何人かで探しましたが、見つかりません。

夕方になって、人影もまばらになってきました。秋の日はつるべ落としといいますが、すぐに暗くなります。その後ご家族と離れた方が見つかったのか、見つからないのかわからないまま夜を迎えましたが、どうしていらっしゃるのかがわからないままです。でもどうすることもできないので、連絡を待つしかありません。

朝になって、午前7時から警察と消防による創作活動が再開されると聞いて、まだ見つかってなかったんだ。夜の間はどこでどうして過ごしていらしたのだろうと、心配になりました。幸いというか何というか、昨夜は気温もそれほど低くなく、予想されていた雨も降らなかったのがせめてもの救いです。

それからしばらくしてから、知ったのですが、その方は鞍馬から電車で30分ほどの駅前のコンビニエンスストアで保護さてたそうです。どうやら、その方は認知症だったようで、自分が迷子になったことも忘れてしまっていたそうです。一晩どこでどうして過ごしていらしたのか、とても気になりました。

無事に保護されたことが、何よりの救いです。
徘徊模擬訓練のことを思い出しました。そんなとき自分には何ができるんだろう?そう考えると、できる事は多くないなと想いました。

徘徊模擬訓練 3

2015/11/23

認知症やその疑いがあり、徘徊などで行方不明になったとして、警察に届けられた方は2013年の1年間に約1万人といわれています。

厚生労働省の研究班によりますと、国内の認知症の高齢者は、2012年の時点で462万人、高齢者の15%に達すると推計されています。また認知症の予備軍とされる「軽度認知障害」の高齢者は、400万人に上ると推計され、国内の認知症とその予備軍の高齢者は合わせて860万人余り、高齢者の4人に1人が認知症またはその予備群ということになります。厚労省の推計によれば、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込みです。

また、若年性認知症といって、65歳未満で認知症を発症するケースも増えていて、高齢者に限ったことではありません。

認知症になる人の数は増加をたどっています。認知症になっても生活しやすい環境は周りの人の理解と、さまざまなひとや期間の連携だと思います。いろいろな人がいて、いろいろな人がその人なりに生きやすい社会、みんなが自分を発揮してイキイキできる社会になると良いですね。

徘徊模擬訓練 2

2015/11/22

はじめて鞍馬で行った徘徊模擬訓練。鞍馬学区の方がどれくらい参加してくださるのかと少し気になっていましたが、開始時間の10時を待たずに大勢の方が集まってくださり、駅前で声かけの訓練を行いました。徘徊者役の方が歩いていらっしゃるところに声を掛けるのですが、訓練とわかっていても何と声を掛ければ良いのか、返ってくる反応にどう対処して良いのかというのは、咄嗟には難しいと思うのです。それなのに、みなさんやさしく寄り添うように、またフランクに話しかけていらっしゃる様子は、事前に練習されたのかと思うくらいでした。それもお一人ではなくほとんどの方が、やさしく親切丁寧に接してくださっていたのです。普段認知症の方に接していらっしゃる施設の職員さんが、声かけについてアドバイスをしてくださっていたのですが、その方も「皆さん上手ですね。」と感心していらっしゃいました。

皆さんあんまり上手なので、対応の方法も発展してゆきました。警察署に繋げることとか、電車に乗るとおっしゃったら、駅員さんにケアしてもらえるように伝えるとか、もし連絡先など教えてもらえるようなら教えてもらって連絡するなど、その方がどこか遠くに行ってしまったり、さらに迷子になってしまわないよう自分ができる事をやる方法、その時に気をつけなくてはならないことなど、施設の方がアドバイスしてくださいました。

訓練が必要なのはわかるけど、徘徊しているかもしれないような人に出会う機会なんてそんなに無いんじゃないの?と思う方も多いかもしれませんが、決してそうとばかりは言っていられません。今年、当園の運動会は鞍馬小学校の校庭をお借りして行いましたが、運動会の途中に施設の方が会場に来られて、認知症の方が行方不明になっているのですが、こんな特徴の人は来ていませんか?と施設から出て行った方を探していらっしゃいました。行方不明になっていた方は施設の近くで無事に保護されたそうですが、このことをみても、決して遠くで起こっている事ではないのです。

徘徊模擬訓練 1

2015/11/21

今年も、徘徊模擬訓練が行われました。昨年までは、市原、静原、鞍馬の3学区の関係者が市原に集まり、2コースに分かれて、歩き回る徘徊者役の人に声を掛けるという訓練を行っていました。声かけの難しさや、徘徊に対する一般の方の反応など気づいたり学ぶことは多かったのですが、今年は、より多くの人に声かけの体験をしていただこうという趣旨から、3学区に分かれて行う事になったそうです。

11月15日 日曜日という日程は、参拝や観光、ハイキング、もみじ狩りなどなどの目的で鞍馬を訪れる方が1年の内でも多い日にあたるので、どうなることかと心配していましたが、私の心配は杞憂に終わって良かったです。

当日鞍馬駅前は認知症サポートのイメージカラーであるオレンジ色に染まりました。オレンジ色の布をそこかしこに掲げることで、場の雰囲気を作る効果を狙って、左京北地域包括支援センターの皆様が考えてくださいました。おなじイメージカラーのオレンジの布を、各お店のご協力を得て、店頭に掲げていただくということも行われました。お店の皆様もお客様の対応で大変お忙しいにもかかわらず、協力してくださいました。

困っている人をみんなで連携して、気にかける、守る、助けることができると良いと思います。

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子どもの力

2015/11/20

園で事務仕事をしていたら、玄関のベルが鳴りました。出てみると宅配便の配達員さんが荷物を届けてくださったところでした。伝票にサインをし荷物を受け取って園内に戻ろうとしたら、「あのー、すみませんが、こちらの保育園の方ですか?」と声をかけてくださる中年の女性がいらっしゃいました。この時期は紅葉を求めてお寺にお参りされる方が多いので、道でも尋ねられるのかなと思い「そうですが、何かご用ですか?」と尋ねてみると、「実は…」と話し始めてくださいました。

その方のお母様は昨年90何歳かで亡くなられたそうですが、そのお母様が80歳台の時に鞍馬のお寺にお参りをされ、木の根道を通って貴船に超えて行かれたそうです。その時に参道を散歩していた当園の園児たちと一緒になり、年上の子が歩くのが嫌だと泣いている小さな子に、京都のことばで「泣いたらあかんで!がんばるんやで!」と声をかけているのをご覧になったそうです。ちょうどそのころご病気かなにかで苦しんでいらっしゃったお母様は子どもの「泣いたらあかんで!がんばるんやで!」のことばにハッとさせられ、勇気づけられたとおっしゃっていた。教えてくださいました。それ以来お母様は、何度も鞍馬にいらしていたそうです。

その女性は、いつか母と一緒に鞍馬に来たいと思っていたけれども、結局それはかなわなかったので、母の歩いた道をたどろうと思って今日は静岡から来たんです。とおっしゃるのです。

その話をきいて、涙が出そうになりました。その時の子どももすごいし、子どものことばに勇気をもらったというお母様もステキです。そして、お母様がお好きだった木の根道を歩こうと、鞍馬にいらっしゃった女性の思いもステキだと感じたのです。

そして、たまたま外に出ていた私にそんな話を聞かせてくださったこと、どこか不思議です。もしかしたら、気づかないだけで、そこには何か意味があるのかもしれませんね。

それにしても、子どもの力ってすごいですね。素直だから、純粋だから、発する言葉が心の奥底に届きやすいのかもしれません。子どもたちの素直さを大切にしたいものです。

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