園長ブログ

ひな人形

2014/03/04

ひなまつりは「上巳の節句」です。「上巳」ということばが示すように、もともとは3月上旬の巳の日に、川で禊ぎを行い汚れを祓うことが中国ではおこなわれていたようです。
平安時代には、この日に人形(ひとがた)で身体を撫でて、人形に穢れを移して川や海に流すとことが行われました。流し雛として今でも行われているところがあります。一方で貴族の子女が、人形を使って日常生活を真似た「雛遊び」が行われていました。おままごとやごっこ遊びです。やはり昔の子どもも、日常生活の中で大人のしていることをまねる、おままごとやごっこ遊びをしていたのですね。そうやって生活する術を身につけてゆくことは、発達の普遍性として、私たちの遺伝子に組み込まれているのでしょう。
この、汚れを祓うための人形とおままごとの雛遊びが融合して雛人形になったようで、室町時代ごろには男女一対の人形を飾るようになり、現在のような段飾りが行われるようになったのは江戸時代の中期以降、それも武家や商家のことなのだそうです。今、あたりまえのように飾っている段飾りのひな人形にもこんな歴史があるのですね。

ところで、ひな人形を飾るときに良く話題になるのが、男雛と女雛を左右どちらに飾るかということです。京都では男雛が向かって右、女雛が左という飾り方が多いようです。京都というより「有職」とよばれる、宮廷で育まれた文化を受け継ぐといわれる雛人形が、男雛を向かって右に飾るようです。京都の人形を作っている会社のホームページには「多様な様式をもつ節句人形の中でも、宮廷で育まれた文化を受け継ぐものを「有職ひな人形」と称します。」(京都島津HP)とあり、宮中の儀式、行事、祭礼などにおける衣裳、調度、用具、飲食などをしきたりに基づいて執り行うことを「有職」と言います。宮中のしきたりでは、天皇、皇后が並ぶ場合は皇后が天皇の右手側ということです。その理由には「天子南面」という中国の思想があるともいわれます。皇帝や天皇は、南を向くということです。そして、太陽が昇ってくる東側が最も位の高い方向とされ、天子は南の方を向いて東側にいらっしゃるという説です。そうすると皇后が西側にいることになり、向かい合っている家臣からみると、天皇は向かって右、皇后は向かって左です。

節句

2014/03/03

3月3日はひなまつり、桃の節句です。上巳(じょうし)の節句とも言います。節句とは季節の変わり目と言うことですが、もともとは竹の節という意味だった「節」という文字が、ものの取扱などの規定を定めた「節度」礼儀や作法を定める「礼節」、そして一定の次第や順序のあること「季節」に使われたそうです。また、「句」の字には「まがる」という意味があり、文章の意味の切れ目にまがった「、」を印としてつけたので、文章中のひと区切りのことばを「句」というのだそうです。(白川 静 著『常用字解』より一部抜粋)ですから、季節の区切りが節句なのでしょう。漢字の由来を調べてみましたが、他の説として「節供」と書いて、節日という季節の変わり目の日に天皇に捧げた供御(飲食物)という意味で、節日に供した供御で「節供」と書くという説ものもあります。広辞苑の「節供」の項には「節日に供する供御(くご)。元日の膳、正月15日(上元)の粥(かゆ)、3月3日(上巳)の草餅、5月5日(端午)の粽(ちまき)、7月7日(七夕)の索餅(さくべい)、10月初の亥の日の亥子餅(いのこもち)の類。せく。おせち。せちごと。」(広辞苑 第六版)と説明されています。

また、節会ということばもあります。広辞苑には「古代、朝廷で、節日その他公事(くじ)のある日に行われた宴会。この日、天皇が出御して酒食を群臣に賜った。元日・白馬(あおうま)・踏歌(とうか)・端午(たんご)・重陽(ちょうよう)・豊明(とよのあかり)・任大臣など。せち」(広辞苑 第六版)とあります。

「節日その他公事(くじ)のある日に行われた宴会」が節会、「節日に供する供御(くご)」が節供、節句は節日とほぼ同じ意味と理解してよいでしょうか。言葉の持つ意味の範囲は時代によっても異なり難しいと思います。

1月7日の人日(じんじつ)、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の端午(たんご)、7月7日の七夕、9月9日の重陽(ちょうよう)が五節句となったのは、江戸時代に幕府が式日として定めてからなのだそうです。

噛む

2014/03/02

人間の身体って不思議です。歯はそんなに変化するものではないと思っていますが、歯も動きます。だから、矯正ができるのですが、歯の位置や高さが、考えている以上に早く変わります。前にも書きましたが、1本の歯を失うと、その隣の歯が傾いていきますし、かみ合っていた歯は長くなるそうです。

実は私も、かみ合わせが悪くて治療中なのですが、その治療方法が樹脂製のマウスピースを上顎に装着して、少しずつ歯を動かしてゆくのです。マウスピースは取り外し可能なので、食事の時に取り外して、着けるのを忘れてしまうことがあります。そのまま寝てしまって、翌朝マウスピースを装着すると、少し入りにくく違和感を伴います。マウスピースを外している間に自分の歯が動いているということなのだと思います。たった一晩で変わってしまうのには驚きます。マウスピースをしばらく着けていた後は、安定して噛むことができます。噛んだときに同じところで噛んでいる感覚というか、意識しないで口を閉じたときに、上の歯と下の歯の同じところが当たっているという感じです。治療を始める前は、噛んだときにどこで噛んで良いのかわからない感じでした。このマウスピースを少しずつ調整しながら治療を進めてゆきます。

うまく噛めなくなった原因には、ついつい歯をくいしばってしまったり、寝ている間に強く歯ぎしりをしているからだそうです。歯を食いしばることは大切なことですが、常にそういう状態だと、かみ合わせのバランスが崩れます。自分の口がどうなっているか、時々意識をしてみると、思わぬ時に強めに噛んでいることが多いのです。例えば、パソコンをさわっているとき、本を読んでいるとき、軽い力でできる事なのに、強めに噛んでいることがあります。それに気がついたときは力を抜くようにしていますが、かなり頻繁に噛んでいます。寝ている間の歯ぎしりはどうしようもありませんが、人は自分の体重くらいの力で噛んでいるそうなので、そんな力で噛みながら歯ぎしりすれば、固い歯もすり減ってしまうのはわかりますね。

もちろんくいしばるのが悪いことではありません。椅子に腰掛けた状態で、口を開けたまま立ち上がるのは、力が入らない気がします。力を出すとき、がんばるときは歯を食いしばらなくてはならないのです。しっかりとくいしばって力が出せるように、がんばれるように、歯も整えておくのが良いと思います。

省みる

2014/03/01

歯の治療について、いろいろと学ぶことができましたが、良い歯科医院の選び方というのも教えてくださいました。

まず、選ばない方が良い歯科医院。「インターネット情報で選ばない」インターネットだけでは正確な情報が得られないので、治療経験者からのいわゆる口コミ情報を参考にすると良いそうです。「距離で選ばない」近いからという理由だけで選ばない方が良iい。当然ですね。堤デンタルクリニックには、全国各地から治療に通ってくる方々がいらっしゃいます。「一歯治療だけでは不十分」虫歯になった歯だけを治療するだけでは不十分なことは前にも書きました。「不潔感のあるところは避ける」医療機関なので、不潔ということはないのだと思いますが、どこかスッキリしていなかったり、雑然とした雰囲気があるところは避けた方が良いということなのかと思って聞いていました。それは何も歯科医院に限ったことではありません。どこでもスッキリとしているところの方が良いのだと思います。スッキリとわかりやすく整理整頓してある方が、仕事が効率よく進み、ミスも少なくなるのだと思います。美しく清らかなところにこそ神仏ましますと言いますが、そういうことなのではないでしょうか。私たちも気をつけなくてはならないところだと思います。「説明なく治療を進めるところは避ける」インフォームドコンセントがしっかりしていなければ、なにより患者さんは不安です。

これに対して、「口腔全体で治療してもらえる」うえに「全身管理のできる歯科医」を選んだ方が良いのだそうです。前にも書いたように、歯が悪いと全身の体調に影響するのです。膝や腰が悪く、整形外科などでどんなに治療しても治らなかった人が、歯を治すことで、膝や腰がすっかり良くなったという例もあるそうです。「治療内容を説明してくれる歯科医を選ぶ。」インフォームドコンセントがしっかりしているところは患者さんの状態をしっかりと把握していて、それに対してどんな治療方法があるのか、しっかり説明できると言うことは、それだけの知識や技術があることの証ですし、何よりも患者さんの気持ちを考えてくださっている。患者さんの気持ちになって考えてくださっているということです。これは、保育園も同じだと思います。保育者の見方や価値観を一方的に押し付けるのではなく、子どもや保護者の皆様の気持ちを考え、勇気づけることができるようなことばを注意深く選んで、説明や対応をする必要があります。
「清潔感のある歯科医」は前にも説明したとおりですし、「友人などの評判がよく丁寧に対応してもらえること。」はいわゆる口コミの評判が良いところです。

このお話を伺い、否応なしに自分自身をふりかえりました。反省すべき事ばかりです。改善すべきは改善してゆかなくてはなりません。

インプラント

2014/02/28

インプラントという治療方法も最近は良く知られるようになってきました。簡単にインプラントなどと言いますが、大変なことです。良くできるものだと思います。ことばで聞くとそうなのかと思いますが、狭い口の中、それも残った健康な歯の間、歯1本分の空間で、歯茎を切開して骨に小さなドリルで穴を開けてゆくんです。それも位置や角度、深さなど、正確に行わないと大変なことになってしまうのです。変な話ですが、自分自身大きな木の板にドリルで穴を開けるにしても、位置を間違えたり、斜めになったりして上手く行かないことを思うと、想像もつかない難しさなのだろうと思います。しかも、日曜大工とは違って、ひとつ間違えば大変な事故になってしまうのです。インプラントの手術が増えてきたことで、大きな事故ではなくても、不適切な治療も増えてきたそうです。実際に、他の医院で不適切な治療を受けた患者さんの再治療を行う事もあるとおっしゃっていました。

そういった事故が起こらないように、また患者さんにとって最も良い治療を行うために、最善の努力をしていると堤医師はおっしゃっていました。驚いたのが、もう3年も前から、治療に3Dプリンタを使っていらっしゃるというお話しでした。3Dプリンタがそこまで実用化されているとは知らなかったこともありますが、歯の治療に使われているというのも驚きです。

患者さんの頭部をCTで撮影し、そこで得られたデータを元に3Dプリンタで顎の模型を作ります。そうすれば、顎の骨の中のどの部分に血管や神経が通っているのかを模型で把握することができるので、より正確に、安全に手術が行えるとおっしゃっていました。手術の精度を上げるためにそこまで行っていらっしゃるとは驚異的です。良いと思ったことはどんどん取り入れてやってみる。このチャレンジする姿勢は是非とも見習いたいと思いました。

治療方法

2014/02/27

歯が1本抜けただけでも放置しておくと、他の歯の歯並びに影響して、それが身体の他の部分にも影響を及ぼすそうです。たかがむし歯だと思って放っておかない方が良さそうです。

虫歯になってしまった場合、虫歯になった部分を削り取って、その部分を金属やセラミクなどで補修する治療します。虫歯を削り取ってなくなってしまった歯の欠損部分をセラミックのブロックを削り出して作成し、補修するという方法もあります。一部が欠損した歯を3Dカメラで撮影し、コンピューターの画面上で補修する部分を設計すれば、機械が設計したとおりにセラミックブロックを削りだすので、歯の型を取ったり、歯科技工士さんが補修部分を作ってくれるまで何日か待つ必要もなく、その日のうちに治療が完了してしまうという治療方法を10年くらい前に導入していらしたのを見せていただいたことがあります。この方法だと金属アレルギーの心配もありませんし、患者さんの歯の色に合わせて作ることができるので、本物の歯と見分けがつかないくらい美しく治療できます。

不幸にして、歯が抜けてしまったり、抜かざるをえなかった場合はその歯を人工的に補う必要があります。一般的には、入れ歯や、ブリッジなどの治療方法がありますが、入れ歯やブリッジを装着するために健康な歯を削ったり、過度な負担をかけてしまったり、入れ歯が合わずに上手く噛めなくなるなどの欠点があります。また、インプラントという治療方法があります。インプラントは、歯槽骨にドリルで穴を開け、そこにチタンでできた人口歯根を埋め込みます。チタンは骨との親和性が高く、骨と一体化しやすいのだそうです。人工歯根と骨が結合したら、その人工歯根の上に義歯を装着することで治療します。この治療法のメリットは、自分の歯のように顎の骨に固定するので、しっかりと噛むことができる。他の歯に負担をかけない。といったことがありますが、人工歯根を埋め込むために骨に穴を開けるので、歯科医師に高い技術が必要で、誤って神経や血管を傷つけた場合は重篤な事故になってしまう。治療に時間がかかるといったことがあげられます。

いろいろな治療方法があるものですね。

歯並び

2014/02/26

常に身体全体への影響を考えながら、歯の治療を行っていらっしゃる、堤デンタルクリニック院長 堤 一純 歯科医師のおはなしをうかがうなかで、かみあわせの大切さを知りました。かみ合わせが狂ってくると、顔の表情が変わってきます。左右のかみ合わせが良くないために、顔がゆがんでしまう方もいらっしゃいますし、お年を召した方の中には、いつも怒ったような表情になってしまう方がいらっしゃいますが、それもかみ合わせが原因なのだそうです。かみ合わせに影響することのひとつに歯並びがあります。私たちは遺伝的には歯が32本あるのですが、近年の人はあごが小さくなってきていて、親知らず4本を抜いた28本が顎の大きさには適当なのだそうです。最近はそれでもまだ顎が小さすぎて、歯並びが悪くなるので、小臼歯を抜いて矯正する若い人もいるようですが、全体への影響を考えると良い方法ではないようです。

かみあわせに大切なのは歯並びですが、歯並びが悪くなる原因の一つは、歯が抜けてしまったのをそのまま放置することだそうです。何かの原因で1本歯が抜けると、隣の歯が、抜けた歯の方に寄ってきますし、抜けたのが上の歯ならその歯とかみ合っていた下の歯が伸びてきます。下の歯が抜けると、上の歯が下がってくるのだそうです。これが意外と早く変化するそうです。ですから歯が抜けたまま放置すると、かみあわせが崩れてしまうのです。

5歳児達がよく歯が抜けたと見せにきてくれます。子どもたちは乳歯から永久歯に生え変わるときなので、乳歯が抜けるのは正常な成長なので良いのですが、どうせ生え替わる乳歯だからと、いい加減にしていては、後から生えてくる永久歯に悪い影響を及ぼす場合もあるそうです。小さいうちから歯を大切にすることを習慣にしておいた方が良いことはいうまでもありません。

「歯磨きしなさいよ!」ではなく、子どもが進んで歯磨きできるような声かけや、きっかけ作りを工夫してゆくことが必要です。いくら強制的にやらせても、大人がやらせなくなると、やらなくなります。それは子どもが自分からやろうと思ってやっていないからです。私たち大人は、目の前の子どもたちに今、歯磨きをさせれば良いのか、それとも歯磨きという習慣が身につき、大きくなっても歯を大切にするために、自らそれができるような力を獲得することを助けることなのでしょうか。

歯と健康

2014/02/25

お寺と保育園が合同で行っている、めぐみ精舎の活動があります。今のところ学童保育の他に、おはなしの会(講演会)を毎月1回行っています。様々な分野で活躍されている講師をお迎えして、自然、文化、医療から原子力まで、いろいろなお話を聞きます。人数はそれほど多くありませんが、お寺のご信徒や地域の方々が参加してくださいます。

1月には、大阪で歯科医院 堤デンタルクリニックを開業していらっしゃる 堤一純先生から、「歯と健康」という題でお話をうかがいました。

理学博士でいらっしゃる堤先生は、大阪歯科大学歯学部卒業後、堤デンタルクリニックを開院され、歯だけを治療するのではなく、常に身体全体を考えた歯科治療を行っていらっしゃいます。特にインプラントの分野では広い知識と確かな技術、豊かな経験で、患者さんの負担を最小限にしながら、最善の治療をめざして、新しい技術や治療方法を開発するなど、常に前進していらっしゃいます。また、多忙な治療の間を縫って、国内外で歯科医や大学教授向けのセミナーを行うなど、活躍されています。

講演は、歯は私たちが思う以上に全身の健康と深く関わっているという内容でした。歯が全身の健康にどのように関わっているのでしょうか。

最近では、虫歯にならないようにとしっかり歯磨きをする人が増えたものの、歯が身体全体に及ぼす影響については、あまり知らない人が多いのではないでしょうか。肩こりや耳鳴りはもちろん、頭痛、めまい、高血圧などの症状の原因が歯にあることも多いですし、歯周病が様々な疾患の原因になっていることが最近の研究で明らかになってきています。

虫歯ができると、歯医者さんに行って治療していただきますが、虫歯になった歯を削って、金属を被せるだけを治療するのでは、本当の治療に繋がりません。治療した歯の隣の歯や、上や下の歯など、口の中全体のバランスを考える必要があります。虫歯の歯だけを治療するなど不適切な治療のためにかえって、口腔内のバランスが崩れて身体の不調に繋がることもあるそうです。あまり意識されていないかもしれませんが、かみ合わせは大切なのです。

持ち味を引き出す

2014/02/24

漬け込んでから1カ月が過ぎたたくあん漬けを取り出してみました。切って食べてみると、最初の印象はかなり塩っ辛いものでしたが、あとからぬかの香りと共にほのかな酸味と甘みが口にひろがります。塩っ辛いけれどもけっこう食べられるかもしれないと思いながらいくつか食べていると、大根の場所によって微妙に味が違うのがわかります。塩やぬかにどれくらい触れているか、大根のどこの部分かによっても味が違うのだと思います。甘みが強いところもあれば、大根独特の辛みを感じるところもありました。まだ漬かりきっていないのかもしれません。

いくつか食べているうちに、とてもおいしくなってきました。ちょうど昼時だったので、たくあん漬けでお昼ごはんにしようと、自家製のお味噌で作ったけんちん汁、ちょうど炊きあがった玄米と、樽から取り出したばかりのたくあん漬けでお昼ごはんをいただきました。シンプルだけれども、とってもやさしい美味しさで、ついつい食べ過ぎてしまいます。休日で家にいた子どもたちも、たくさん食べるので、たくあんはあっという間に減ってしまいました。

考えてみたら、玄米は知り合いの方が自然農法で手間暇かけて育てていらっしゃるお米ですし、けんちん汁の出汁は昆布だけ、味噌は有機農法の大豆と麹で作った自家製で具は野菜だけ、たくあんは、12月に滋賀県の畑から5歳児の子どもたちと収穫してきた大根を漬けたものです。化学調味料などの人工的な味はありません。なんて贅沢なのだろうと感謝しながらいただきました。自然のものだけで作った料理の味はとてもシンプルで薄味なのですが、素材の持っている味を上手く引き出してくれるように思います。合成した調味料は素材に味をつけます。素材の味の上に調味料の味をのせる。調味料の味で素材をくるんでしまうように感じますが、天然の素材を用いて、自然の力でできた調味料は素材が本来持っている味を引き出すように感じます。

自然は引き出すのかもしれません。子どもを育てることに似ているかもしれません。子どもに何かを一斉画一的に教え込むことは、食材を化学調味料の味にしてしまうこととのようです。自然にその子がその子らしく育つ。その子の能力を引き出されるような環境を用意することで、それぞれにちがう、ひとり1人の良さが引き出されます。そしてそれぞれが持ち前の良さを活かして、得意なことでみんなの役に立つことができると良いのです。ですから、大人はやらせる、教え込むのではなく、子どもが自ら育つことを信じて見守ることが大切なのです。

食材の良さを覆い隠すのではない、食材の持っている美味しさを引き出して優しい味付けができる自然の調味料のような子育てができると良いのに。たくあんを食べながらそんなことを考えました。

そろそろ食べ頃?

2014/02/23

前にもこのブログで紹介した、たくあん漬け。漬け込んでから1ヶ月ほど経ったので、一度取り出してみることにしました。1カ月のあいだ、ほぼ毎日見に行っていましたが、何もできることはありません。できることと言えば、「おいしくなってね!」と声をかけるくらいです。2つの樽に分けて約20本の大根を漬けました。1つは樽の中にポリ袋を敷き、そのポリ袋の中に大根やぬかを入れたもの、もう一つはポリ袋を使わずに、直に樽に入れたものです。

最初は重しの石を2つずつ、約30㎏をのせておいたら、5日ほどで水が上がってきました。1週間もすると、ふたが隠れるほどの水の量になったので、石を一つ減らして、あとは観察するだけです。水の量が少しずつ増えてきましたが、一定の量まで増えるとそれ以上は増えなくなりました。目に見える変化は、水の色や水面の様子くらいですが、樽の中ではいろいろなことが起こっているのだと思います。最初のころ水は透明でしたが、徐々に琥珀色になってきて、10日ほどすると泡が出始めました。2週間ほどすると、直に漬けた樽の方は水面に薄い膜のようなものが現れ、どんどん広がってゆきます。ポリ袋入りの方はよく見えませんが、そんな様子はなさそうでした。20日を過ぎると、直漬けの樽の水面あたりには、カビのようなものが現れて少しずつ成長してゆきました。これはどうしたものかと考えましたが、1カ月で取り出すことにして、そのままにしておきました。

漬け込んでから1カ月ちょっとたった休日、少し時間ができたので、2つの樽から1本ずつ大根を取り出してみることにしました。重しの石をどけて、直漬けの樽に生えていたカビと水面の幕のようなものを取り除き、一番上に置いていた大根の葉をどけると、ぬかの間から大根が現れました。ぬかの臭いは強いのですが、嫌な臭いではありません。ポリ袋入りの方も同じように取り出してみましたがこちらはカビは出ていませんでした。1本ずつ取り出してぬかを洗い落とすと、何となくお漬け物らしくなっています。早速、切ってみると、中は白いところもありますが、しなっとして、漬かっているようでした。

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