保育園では昼食をいただいた後、お昼寝するまでの間には少し時間があり、その間に4・5歳児の掃除当番の子どもたちが、ランチルームを掃除します。机やイスを片付けて、食べこぼしがあれば小さなほうきとちりとりで掃き集め、ぞうきんがけをします。子どもたちはずいぶん手際よくできるようになりました。机は倒して足を折りたたみ所定の位置に運びます。これは5歳児が担当しています。結構重いので自分の足をはさんだりけがをしないかと少し心配になりますが、二人で息を合わせてうまくやっています。ぞうきんがけも年度当初に比べたら、ずいぶん上手になりました。ぞうきんがうまく絞れず、床をびしょびしょにしていた子も今ではきれいに拭いています。
子どもたちは、良いことでも、好ましくないことでも何でもすぐに身につけるものです。どこからそれを学ぶのでしょう。周りにいる大人や子どもからそれを学ぶのです。よく知られているように学ぶということばには「まねてする。ならって行う。」という意味があります。いつも悪いところを注意されてばかりいたら人の悪いところばかり見るようになります。やさしい気持ちで接してもらった子は優しい気持ちを持てるようになります。お母さんが料理をしている姿を見て、おままごとで料理をつくります。子どもの口調が、近くで接している保育士の口調に似てきます。ですから、子どもたちにこうして欲しいこうなって欲しいと思えば、ガミガミ言ってそうさせるのではなく、自分自身がそうするしかないのです。今、口から出そうになっていることば、行っていること、行い方、もしかしたら気持ちの持ち方まで、「これって子どもに真似をされてもよい態度や言葉づかいかな」ことばにする前、行動にする前に自分自身を振り返りたいと思います。
保育園の玄関前にいらっしゃる童形六体地蔵尊のそばにこんなことばが書かれています。
子どもはみんなほとけの子
子どもは天からの預かりもの
子どもは親の心をうつす鏡