園長ブログ

大好き!ありがとう!

2012/08/28

学童保育に通ってきている小学生、10名ほどと一緒に地蔵寺にお参りに行きました。本堂に着くと子どもたちは、自ら背筋を伸ばして正座していました。般若心経を唱えてお参りし、ご住職の法話を聞きました。ご住職は最近晋山式を挙げられたばかりの尼僧さんです。地域のため檀家の皆様のためになにかできないかと心を砕き力を尽くしていらっしゃいます。

ご住職は「お地蔵様は、一生懸命お願いすれば、みんなの願いをかなえてくれるけど、お願いの方法があるからそれをみんなにも教えてあげよう。」と話し始められました。子どもたちはこのことばに引き込まれたようでした。

お願いの仕方の一つ目は、「お地蔵さま大好き」というのだそうです。一緒に声に出して言ってみてといわれて、少し恥ずかしがりながらことばにしていました。「もっと大きな声で言わないとお地蔵さまは聞こえないよ」といわれ今度は大きな声で言います。二つ目は「お地蔵さまありがとう」です。今度は、子どもたちは元気に声を出していました。

ご住職に確かめたわけではないので、私の勝手な解釈ですが「お地蔵さま大好き」というのは、お地蔵さまを信じきる。ということなのだと思います。信じるというと「子どもを信じる」ことがすぐに思い浮かびます。子どもを丸ごと信じる。大人が困るようなことをしても、「きっと大丈夫」と信じるということです。子どものすることは、不適切と思えることであっても必ず意味があるので、それがなにかを知ろうと子どもの気持ちになって考えてみるのです。もしかしたら「こっちを見て」とアピールしているのかもしれませんし、何かを伝えたいけれど伝えられなくて困っているのかもしれません。そんなことしちゃダメ!と叱るだけではなく、この子の心は何を求めているのだろうと思いを馳せるのです。そう考えると、子どもをとても好きになることができます。

「お地蔵さまありがとう」は文字どおり「ありがとう」です。こうして生きていること自体が有ること難いことですし、多くの人に支えられ、教えられ、生かされているのだと思います。いろいろなことやものに、感謝できれば、これほど幸せなことはありません。子どもを見ているといろいろなことを教えてくれます。自分の思うとおりに子どもを動かそうとして、その通りにならないといって子どもを叱ってしまいがちですが、子どもをよく見ていると、子どもの「ステキ」や「すごい」にたくさん出会うことができ、学ぶことはたくさんあります。子どもに「学ばせてくれてありがとう」といいたくなります。

そんなことを思いながら、ご法話を聞かせていただきました。「お地蔵さま大好き」「お地蔵さまありがとう」は、きっと子どもたちの心にも届いていることだと思います。

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