園長ブログ

消火訓練 1

2012/08/18

左京消防署の方々にいらしていただいて、お寺の自衛消防隊の皆さんと一緒に消火訓練を行いました。消火訓練ですから中心になるのは職員ですが、子どもたちも見学ばかりではつまらないので、訓練用消火器を使っての消火訓練を体験しました。

まずは消防署の方の説明を聞きます。消火器を見せて「これ何か知ってる?」「どこにある?」など、子どもたちが考えられるように質問しながら説明してくださるので、子どもたちも「消火器」「火をけすやつ」などと答えながら楽しく体験することができました。

「火事を見つけたら一番最初にすることは何?」という質問に子どもたちは「消す」「逃げる」などと答えていましたが、私もその程度しか思いつきませんでした。消防署の方の答えは、「他の人に知らせる」でした。まず火事を見つけたら「火事だ!」と大きな声で、できるだけ多くの人に知らせることが大切だそうです。多くの人に知らせれば、消防署に通報する人、避難誘導する人など役割分担ができます。ひとりで全部のことはできないので、みんなで力を合わせるようにしてください。といった意味のことをおっしゃっていました。

こんなところでも、いや緊急事態だからこそ、チームワークが求められるのです。ひとり一人が自分の想いだけを優先して、バラバラに動いていたのでは、ピンチを乗り切ることはできません。それどころか被害を拡大させてしまいます。「子どもの命を守る」という大きな目的のために、避難誘導する人、消火する人、消防署に通報する人など役割を分担する必要があるのです。その前提として情報共有が大切です。それが、大きな声で「火事だ!」と火災が発生したという事実を伝えることなのです。

火災発生という非常事態についていうと、そんなの当然だと思うでしょう。しかし、普段の保育にもこのチームワークが大切なのです。自分のやり方が一番良いと思って、「私は私のやり方でやりたいようにやるから、あなたはあなたでやれば。」「あの人の言うことは聞きたくない」などと思っていては、子どもたちが大きな被害を被ってしまいます。「子どもが今をより良く生き、しっかりと発達を遂げる」という目的のために、「みんなのいのちが輝く」という理念を形にすることに向かって、みんなが心を一つにしてそれぞれの役割を果たすことに努力する必要があります。

そうでなければ、火災の時に煙に巻かれ、炎に焼かれるように、大きな被害を発生させてしまうことになります。そんな罠に陥らないよう十二分に注意して自らを見つめて律する努力をしてゆこう。

消火訓練を通してそんなことを考えてしまいました。

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