朝から用事を済ませて、11時過ぎに園に行くと園庭がとても賑やかです。子どもたちの楽しそうな歓声に混じって、ときどきおとなの笑い声や大きな声も聞こえてきます。何が起こっているのだろうと思い、窓から園庭を見ると年長児と保育士がプールで遊んでいます。そういえば、この夏最後のプール遊びをするって言っていました。他の子はもうお昼ご飯の準備にいったのでしょう。年長児だけが思いっきり遊んでいます。
何をしているのだろうとしばらく見ていると、子どもたちがかわるがわるプールの中に座った保育士の頭から肩から水をかけています。そのたびに保育士は「ひえー」「つめたーい」と叫んでいます。ペットボトルで水をかける子や、大きなバケツになみなみと水を運んできて一気に頭からかけている子もいました。その子どもたちのいきいきした顔といったら・・・見ているこちらまで楽しくなってきます。近くのデスクで仕事をしていた主任に「ちょっと見て」と声をかけたくらいです。
当園では、基本的には子どもが主体的に遊び、大人はその姿をそっと見守る立場でいるので、大人が大きな声を出して指示をしたり、何かをさせたりすることは少ないのです。もし、大人の大きな声が聞こえるとしたら、楽しすぎて大きな声になっているか、笑っている声です。
この日はみんなで楽しく遊んだ夏の日の思い出にしたかったのか、ただ単に大人も遊びたかったのか・・・
降りそそぐ夏の日差し、飛び散る水しぶき、子どもも大人もはじける笑顔、このキラキラとした空気感、全員が心の底から楽しみ、いきいきと輝いているとってもステキな時間でした。
あまり楽しそうなので園庭に出てみると、子どもたちが「園長先生こんなんできるようになったで」と水に潜ったり、背泳ぎをしたり、いろいろと見せてくれます。「へー!すごいなー」といって見ていました。
すると、どこからともなくビートのきいた威勢の良い音楽が聞こえてきて、子どもたちも保育士もプールの中や周りで踊り始めました。音のする方を見てみると、2階の窓からこちらを見てニヤニヤしている年中児と保育士の姿が、どうやらこの曲は、近づいてきた運動会で踊る曲のようです。楽しそうにプール遊びをしている年長児を見て、「この曲聞かせたら踊り始めるかな」などと相談して、やってみたのだと思います。この作戦に乗せられ、プール遊びをしていた年長児も思わず身体が動いてしまった。といった感じでしょうか。
運動会の練習ですから先生の言うとおりにしなさい!といって練習するよりも、こんなに遊び心いっぱいでダンスの曲に親しむ、すべてを遊びの中で楽しむ。子どもたちのやってみたい!に自然につながる。とってもステキだと思いました。