朝は6時から7時30分頃まで朝座のお勤めをします。8月1日は9時から写経に使う水を汲みに行ったあと、写経を始めるための立筆作法をして写経がスタートします。11時半ごろまで写経をして中食。
13時から15時まで写経、15時半頃から16時半ごろまで夕座のお勤めです。2日は朝のお勤めは同じですが、9時から11時半まで写経、13時から15時まで写経、そして夕座のお勤めです。2日中に写経を完成させなければなりません。3日も朝座のお勤めは同様に行って、午前中は書写し終え経巻に調巻した経典を経筒に納め、供養をして満行です。朝夕のお勤めも含めると1日4時間以上、鏡床(板張りの床)に薄い敷物を敷いたところに正座なので、かなり足が痛くなります。そのうえ例年はかなり暑いのですが、今年は風があり、
随分涼しく過ごさせていただきました。でも、本当に大変なのは、準備です。7月に入ったら、お寺の職員さんはほとんど毎日掃除で、あらゆるところをきれいにされています。それと平行していろいろな準備も行われます。夏の暑い時期にかなり大変なことです。写経会が始まったら、もう終わったも同然という人も多いようです。それだけ大変なのです。
お寺の皆さんの掃除はかなり徹底しているので、保育園の職員も掃除の仕方を学ぶお掃除研修に交代で行くこともあります。
ですから、暑かったり足が痛かったりするのは、どうということではないのかもしれません。
写経中は暑いし、足は痛いのですが涼しい風が吹き抜けてゆくととても幸せを感じることができます。まさに「極楽の余り風」かと思えてしまいます。夏の暑いときに涼し風がふくと「極楽の余り風や」とおばあちゃんがいっていたのを思い出しました。
考えてみれば、お経を唱えて、お経を書き写して、また次の日の準備をして、他には何もしないのですから、これほどの幸せはありません。
お昼の誰もいない道場の縁側に座って空を眺めていたら、真っ青な空に白い雲が走り、時々太陽を遮るからか、空がいろいろな色に変化します。木々の緑とのコントラストが美しく、思わず見とれてしまいました。
いつもと違う3日間を過ごしています。