「全てのゲストにハピネスを提供する」というミッション(理念)に向かって、1万人近くのキャスト(従業員)がチームとしてそれぞれの役割を果たしているディズニーリゾート。膨大なマニュアルや、服装や身だしなみをはじめとした様々な規則があるそうですが、マニュアルや規則だけでは、ゲストのリピート率98パーセントを達成することはできないでしょう。マニュアルや規則プラスアルファがあるのです。
講師はホスピタリティーということをおっしゃっていました。ホスピタリティーというと、よく「おもてなし」といわれますが、講師は、相手への思いやり、しかもただの思いやりではなく、「主体的な思いやり」ということばを使って表現されていました。
ホスピタリティの語源は、ラテン語の Hospics「客や旅人の保護」という意味だそうです。英語のHospital(病院)やHospice(ホスピス)なども語源が同じだと考えるとイメージしやすいかもしれません。一方、「あの店はサービスが良い」というように使われる、サービスの語源は、ラテン語の Servus「奴隷」だそうです。つまり、サービスには主従関係や義務というニュアンスが含まれるのです。サービスは、やらされたり、義務的にしなくてはならないのですが、ホスピタリティーは自らが主体的に持つ「相手への思いやり」なのです。そして、思いやりに基づいた行動が生まれるのです。
これは、お店であれば、お客様への思いやりですし、保育園であれば子どもへの思いやりです。まずは、子どものことを目配り気配りをしてよく見ていることが大切です。子どものことをよく見ているからこそ、子どもの気持ちになって考える事ができます。そこではじめて、その子に今最も必要なことは何かがわかり、適切な行動がとれるのです。
そして、「最近ありがとうといわれたことがありますか」という問いかけがありました。「ありがとう」が多いところはホスピタリティーに溢れているのだそうです。いつも批判したり、誰かの性にするのではなく、感謝の気持ちをもつからこそ自分が成長でき、他の人との信頼関係も築くことができるのではないでしょうか。
例え業種は違っても、学ぶべきことがとても多い講演でした。ありがとうございました。