特定非営利活動法人CLCA(CHILDREN , LIFE AND CULTURE ASSOCIATION)子どもと生活文化協会の活動のひとつに、「生活体験合宿」というプログラムがあります。どんなことをされているのか、子どもたちはどんな風に過ごしているのか興味があったので、一昨年だったと思いますが小学生だった次男と一緒に個人的に参加してみました。丹沢山中にある「市間寮」というところでで60人くらいの大人と子どもが一緒に生活します。市間寮は、築100年を越える古民家に加え、子どもたちを中心とした人々が、木材を切り出すところから自分たちで作ったログハウスが建っています。
私が参加したのは一泊だけですが、とても充実した時間を過ごすことができました。
生活体験ですから、かまどで食事を作るための薪割り、調理、掃除、様々なことを皆で分担して行います。みんなで生活を共にするのです。そこには強制はなく、選択肢がいろいろとあって、子どもたちが自分で選べる環境があります。しかしなにもしないと生活が成り立たなくなるので、子どもたちは自分で選んだことを懸命にやります。子どもたちの積極的な姿、いきいきと活動する様子が印象的でした。
参加していた子どもたちはほとんどが寄宿生活塾「はじめ塾」の塾生で、普段から寄宿生活をしています。一般から参加した小学生は少なかったのですが、うちの次男が薪を割ってかまどでご飯を炊く仕事を担当することになり、「はじめ塾」の中学生の男の子が、薪を割って火をおこし、ご飯を炊くことを一緒に行いながらえながら教えてくれました。その教え方がつかず離れず、初めての子が興味を持ちながら危険がないようにやり遂げるというところまでサポートする感じで、次男もおもしろかったと、充実して行えたようでした。
全員分の食事を作るのに、どんな献立をどのように調理して作るのかは、中心になる人が決めて、様々なところから集まってきた人たちに方針を伝え、役割を割り振ってゆく必要があります。それを担当したのは中学生の女の子でした。初対面が多い大人たちに仕事を割り振って、60人分の食事を作り上げなくてはなりませんが、その子は見事にやっていました。大人でもなかなかできることではありません。後で聞いたのですが、その子は学校へ行くのが少し苦手な子だそうです。
ものごとを一つの価値観だけにとらわれて判断すると、大切なものを見落としたり一方的な見方になったりする可能性があります。一人ひとりが輝くために、なにが一番大切なのか。いつも見つめ続け、忘れないようにしたいものです。