園長ブログ

未来の食卓

2012/05/08

食べること、食べるものを気にしていたら、「未来の食卓」というフランスの映画を見つけました。ドキュメンタリー映画で化学物質が健康に与える影響の大きさを訴えるところからはじまります。

私が衝撃的だと思ったのは、農作物を育てるために使われる農薬とその影響です。農薬を使う農家の人々への健康被害がとても大きいのです。近親者の多くががんを患ったり、農薬を散布したあとは、8日間排尿できないという人や3日間鼻血が止まらないと言う症状を訴えていた農家の方もいらっしゃいました。実際に神経障害にかかってしまい、集中することができなくなり考える事ができなくなり情緒も不安定になったという人の話しが、衝撃的でした。その人は、自分だけでなく息子さんも重い病気にかかったことを涙ながらに話していたシーンは見ていて辛いものがありました。
フランスの農薬、特に殺虫剤の使用量は世界でも2〜3番目に多いというデータが伝えられるシーンもあったので、フランスが特別なのかもしれませんが、ガンを初めとした様々な重い病気にかかる子どもが多いことを知りました。

みんな農薬をつかわないほうが良いことはわかってはいるのですが、生産量の減少などが心配でなかなかオーガニックに切り替えることができないようでした。
映画の中でもあったのですが、化学肥料や農薬を多用すると土が固くなって死んでしまい、雨が降っても水が浸透せず、表土を洗い流してしまい、すぐに痩せてしまうそうです。

バルジャックという村が学校給食で提供するメニューの全てを地元でとれるオーガニック食材にしてゆくという村の取り組みを中心として、地産地消を進め、子どもたちの意識を高めそれによって保護者の意識が高まり、住民が環境問題への意識を高めてゆく様子が描かれています。
子どもたちが授業の中で、地下水の汚染について学んでいるシーンもありました。オーガニック給食を出発点に環境問題を学んでいるのでした。また、菜園活動を通して、食や環境についても学んでいました。

バルジャック村の村長さんの発言を紹介しましょう。「費用がかかるというが健康は値段の問題ではない」「我々の村議会では会計を優先しない。先に費用の心配をするな。」「相談相手は自分の良心、それしかない。」

私たちが大切にすべきことは何なのでしょう。よくよく考えてみる必要があると思います。子どもたちには何の責任もありません。未来の食卓は、いや、今現在の食卓はどうあるべきなのでしょう・・・

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