暑いと言ってもよい季候になりました。4月のはじめはまだまだ寒く、雪が降ったりしていたのですが、下旬になって急に気温が上がりました。ちょうど良いくらいのさわやかな日もありますが、気温の変化が急激な気がします。
4月も中旬になってソメイヨシノが咲き始めた時にはまだ白梅が咲いていました。それから山桜も咲きだして急に暖かくなり、しだれ桜、八重桜とどんどん桜が咲き始めました。暖かくなるのが早かったので、ソメイヨシノの見頃はあっという間に過ぎてしまいましたが、八重桜がぽつりぽつりと咲きだし、今では後発組みが満開になっていて、お寺の本殿前は、華やかです。
八重桜にはたくさんの種類がありますが、ちょっと変わったのでは、黄緑色の花をつける桜があります。御衣黃(ギョイコウ)という種類のようです。咲き始めは薄緑色をしていて、時間が経つにつれて花の中心部分からピンク色に変わってくるのです。鬱金(ウコン)という種類は同様に黄色に近い薄緑色の花を咲かせますが、色が変わってくるのは御衣黃のようです。
また、貴船雲珠(キブネウズ)という種類もあって、こちらの花はもう散ってしまいましたが、全てが同じ花をつけるわけではなく、花のうちの何輪かに一輪が八重咲きというのか、一枚多く花びらがついているのです。
百花繚乱というほどではありませんが、その他にもお寺の参道にはヤマブキ、シャガ、ツバキ、などたくさんの花が咲いています。加えてあざやかな新緑が目を楽しませてくれています。本殿付近にはハナズオウもかわいらしい紫色の小さな花をたくさんつけています。白い藤は早くも花を咲かせようとしていますし、シャクナゲも八分咲きです。私などは気付かないだけで、美しい花がたくさん咲いているのだと思います。それぞれに自分の役目を精一杯果たし、いのちを輝かせているのでしょう。