自分というのは、どうもよくわからない・・・
身体はとても複雑で、各部分がそれぞれの役割を果たしながら全体が調和しています。完璧なチームワークです。内なる自然とも、小さな宇宙ともいえるでしょう。そして、こころはどこにあってどうなっているのかよくわかりませんが、最近の研究では脳の働きが心の働きと深い関係がありそうなことがわかってきているようです。しかし本当に脳だけなのでしょうか?
「ものごとは、心にもとづき、心を主とし、心によって作り出される。」お釈迦さまのことばという形で記された最も古い原始仏典の一つ『法句経』(ダンマパダ』の最初に出てくることばです。全てのことは心によって作り出されているのです。心が認識するからこそ、それが存在するのです。ですから心をしっかりと制御できれば、楽にいられるのです。とはわかりながらも、ついつい心が暴走してしまうのです。心というのはとらえどころがないのです。
身体もよくわかるわけではない、こころもよくわからない。そんな自分って何なのでしょう。
そこまで深く考えないにしても、あなたが「今、あなたが一番やりたいことは何?(あなたが没頭できることは何)一番苦手なことは何?」とたずねられたことがありますが、すぐには答えられませんでした。普段あまり考えてもみなかったことだったので、しばらく考えてしまいました。毎日の仕事も毎日普通に行っているだけで、これは好き、これは嫌いとは考えていないませんでした。
好きなことは正直に好き、苦手なことは正直に苦手と言えないというか、それを言うことは単なるわがままで、自分のやりたいことしかしない。嫌なことは避けて通るずるい人というイメージがついているのかもしれません。
それは、号令で一斉に動く均質な労働力を整えるための教育を受け、どこか人と違うことをしてはいけないという価値観が染みついているのか、自分はこれが好き、あれは苦手と自分の想いを伝えることをしてこなかった。自分の本心、真心のことばに耳を傾け、声にすることを忘れてしまっているのかもしれません。