いつも何気なく使っていることばですが、私たちはことばを使って考えたり、様々なことを理解しています。もちろんことばを超えた直感というのも大切なことです。直感なんて当てにならない、非科学的だと言う理由だけで切り捨てない方が良いと思います。直感は、案外自分自身の素直な心でものをとらえているときの感覚だと思うので、一番正しかったりすることがあります。
ところで、ことばで理解するということは、世界を「ことば」というナイフで切り取ってきて目に見えるようにするのだという感覚が私にはあります。混沌としているところからすくい上げて、これが○○ですと名前をつけるという感じです。切り分けるから理解できるのだと思います。と同時に切り分けるから世界というのか宇宙というのか、その全体をことばで表すことはできないのだと思います。言語道断ということばがあります。一般的には「とんでもないこと」「もってのほか」という意味で使われることが多いのですが、「真理はことばでは説明できないものだ」という意味があります。ことばでは真理の一面しか表せないということです。切り取って取り出すので、部分になってしまわざるをえないのです。
そして、切り取り方がその人によって少しずつ違うので、ことばで説明するのは難しいのかもしれません。しかし、難しいからと言ってことばを使わなければ、もっと伝わらなくなります。せめて真心を込めて丁寧に話すことが必要です。また、百聞は一見にしかずではありませんが、見せることも大切だと思います。百のことばで説明するより、自分がやってみせることで、容易に伝わることもあります。特に子どもはやってみせるが一番学びやすいと思います。