虫眼鏡で太陽光を集めていて気がついたのですが、紙の色によって煙が出始める時間が全く違うのです。黒っぽい色が熱を吸収しやすいことは知識として知っていますが、実際に黒い部分と白い部分で比べてみると差がわかります。
子どもたちには、サツマイモをアルミホイルで包む仕事をしてもらいました。非常勤の調理員さんが手伝ってくれたので、子どもたちもうまくできました。まずサツマイモを濡れた新聞紙でくるんでから、アルミホイルを巻き付けます。そうすることにより、焦げにくく蒸し焼き状態になるのです。非常勤の調理員さんは少し年配の方で子どもたちにとてもわかりやすいように丁寧に教えてくださっていました。決してやらせようとせず、子どもたちが自分で考えられるようにじっくりと待ちながら教えてくださっていました。
火の勢いも強くなってきて、ありったけの薪を入れるとさらに火力が上がります。
それまで、火に近づいては薪を投げ入れていた子どもたちも、だんだんと近寄れなくなります。保育士の一人が『やきいも』という絵本を持ってきて読んでくれました。絵本が終わる頃には炎も小さくなってきて代わりに炭のようになった部分ができてきたので、いよいよサツマイモを火の中に入れます。下火になったとはいえ、近づくとかなり熱いので子どもたちはおっかなびっくり、サツマイモが入ったら上からおがくずをかぶせて、焼けるのを待ちました。そのあいだ子どもたちは思い思いに園庭で遊んでいます。
たき火にあたりながら非常勤の調理員さんと少し話をしました。いつも私の想いを理解して支えてくださる存在だったので、今月で退職されるのが残念です。早いもので11年になります。とても前向きな方で、当園に勤めだしてから自分で勉強して調理師の資格を取り、様々なボランティアもして、今はパソコンに挑戦中だそうです。
柔らかい日差しと、たき火の暖かさを感じながら子どもたちの遊ぶ姿を見ていると、ひととき忙しさを忘れてとても幸せな気分になることができました。
30分ほどして、どうやら焼けたようなので、包んでいたアルミホイルを外してみました。中の新聞紙は焦げているところもあれば、乾いていないところもあります。焼けてるかなー?と思いながら新聞紙を外すときれいな色になったサツマイモが顔を出しました。割ってみるとちょうどいい具合に焼けていました。失敗しなくてやれやれです。
早速みんなでいただきました。とってもおいしく焼けています。他の職員にもお裾分けしておいしく頂きました。ごちそうさまでした。