京都観光をしてきました。忙中閑「たまにはゆっくりしよう」というわけではありません。鞍馬社会福祉協議会の「歩こう会」という行事で、地域の60歳以上の方々とお出かけしようという企画です。元々は、健康のために「歩く」のが目的だったのですが、最近は「歩く」よりも「おでかけ」的な性格になってきていました。今年の企画では、その流れを少し見直し「歩く」要素をもう少し取り入れるという理由がひとつ。もう一つは、京都に住んでいると意外と京都を知らない、有名な社寺や観光地に行ったことがない、行ったとしても何十年も前ということがあります。そんな理由から京都市内を巡るコースになりました。訪れたのは二条城、東寺、伏見稲荷です。
3月5日(月)当日の天気予報は雨、しかも風雨が強く荒れ模様というものでした。せっかく歩く要素を多くしようとしたのに残念でしたが、お天気ばかりはどうしようもありません。9時30分、40名余りの参加者と共にバスで鞍馬を出発、まずは二条城に向かいました。
二条城は1603年徳川家康が京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所として造営し、家光が増築して1626年に完成しました。建築は桃山時代の武家風書院造りと、狩野派による障壁画、欄間彫刻など桃山文化を堪能できます。
国宝の二の丸御殿の中に入るときらびやかな障壁画に目を奪われますが、よく見れば30センチ角くらいの無節の檜の柱が数え切れないくらい並んでいます。長押の釘隠も花熨斗形というらしくかなり大きなもので、花の模様の細工がとても細かいのです。それも数え切れないくらいあります。天井もほとんどが格天井ですし、広間の一部、将軍の座の辺りは二重折上格天井になっていました。
私が一番気になったのは欄間です。もちろん広間、三の間にある。厚さ35センチの一枚板に両面異なったデザインの透かし彫り彫刻を施した欄間は圧巻です。絵で描くのさえ大変そうなのに、立体として造形してゆくのは想像を絶する作業だと思います。どうすればこんなことができるのだろうと思ってしまします。
室内外をしきる廊下の障子の上の欄間にもとても手の込んだ飾りがありました。それも数えきらないくらいたくさんあるのです。これもどのくらい手間暇かかったのか想像すらできません。
当時の最先端技術を集め、手間暇と財力を惜しげもなく注いで、作られたのだと思います。昔はこうしたことが行われたおかげで、職人の技が研ぎ澄まされ、様々な技法が編み出され、表現が豊かになり、ひとつの文化として現代にまで伝わってきているのです。昔は社寺や貴族、将軍や大名が文化が生まれ発展するのを支えていたのですね。