鞍馬小学校の学校運営協議会事業のひとつに茶道教室があり、お手伝いをさせていただきました。茶道教室といっても、子どもたちとお茶のお稽古をしようというのではなく、小学生が保護者と一緒にお茶とお菓子を味わい、楽しんでいただこうという企画です。
日曜日の午前中に行いましたが、小学生9人と保護者や地域の方々10人あまりが集まってくださいました。午前中の2時間ほどを2つのパートに分けて行いました、1つは茶室でお茶をいただく、もう1つは自分でお茶を点ててみようという試みです。
最初は蹲踞(つくばい)を使って手を清め、口をすすいで茶席に入るところから体験しました。この茶道教室は今回が初めてではないので、小学生の中にも経験者はいます。6年生に蹲踞の使い方を覚えているか聞いてみると覚えていたようだったので、他の参加者に教えてあげてほしいと頼んだら、実際に自分でやってみながら教えてくれました。
手を清め、口をすすいで茶室に入ります。子どもたちは躙り口から小間に入り、大人の方は隣接した広間に入っていただきました。建物の中にしつらえた茶室なので草履の扱いなどは体験できませんが、躙り口から入って床や道具、釜などを拝見して席に着くことを伝えました。
その日に使っていたお釜の模様は松竹梅がモチーフになっていたので、子どもたちに見つけてもらおうと「3種類の植物を探してくださいね。」と言うと、じっと見て探していました。竹と梅は釜の胴に大きく描かれているのですぐにわかるのですが、松は、鐶付が松かさの形になっているだけなので、それを探すのは難しいかもしれないと思っていましたが、4年生の男の子がすぐに見つけてくれました。子どもの観察力には驚かされます。
一通り拝見が終わって、みんなが席に着いたころ、大人の方々も広間に座っていただいたので、お手前を始めて頂きました。いつもお世話になっている茶道の先生にお手前をお願いして、今回は濃茶を練っていただきました。子どもに濃茶はちょっと手強いかなと思いつつも、普段、濃茶を口にする機会は滅多にないだろうと思い、思い切って挑戦してもらいました。
濃茶はその名の通り、かなり濃いものです。茶杓に山盛り3杯くらいを1人分として、約5人分を一碗に入れ、少なめのお湯を注いで練ります。練るということばからもわかるように、できあがりは粘度の高いどろっとした感じになります。それを、5人なら5人でまわし飲みします。よく頂く抹茶(薄茶)とは見た目も味もずいぶん違います。
茶入れから茶碗に入っていくお茶の量に、子どもたちは驚いた様子です。練り上がったお茶を前にさらにびっくり、「本当にこれを飲むの???」といった顔つきです。「普通は三口半で頂くといわれてるけど、飲めなかったら一口だけでいいよ」と言うと、恐る恐る口にしていました。少しだけなめてみた子、二口くらい飲んだ子いろいろでした。中にはおいしいと言っている子もいたのには、こちらが驚きました。
保護者の皆さんも多くの方が濃茶は初めてで、「思ったより濃かった」などの感想を聞かせていただきました。初めての方が多いだろうと思って、かなり薄めにはしていただいていたのですが・・・
こんなお茶もあるということは、体験していただけたと思います。