先日、2歳児の子どもたちが、買い物に行きました。といっても鞍馬の田舎にはお店がないので、叡山電車に20分ほど揺られて、園の食材を納入してくださっているお店まで行きました。何を買いに行ったと思いますか。油揚げです。なぜ油揚げ?と思いますよね。実はストーリーがあるのです。
直接的には、クッキング保育で、いなり寿司をつくるので、その材料の油揚げが必要だったのです。なぜ2歳児のクッキングで、いなり寿司?そんな手の込んだものを2歳児が???と?がいっぱいになっていらっしゃる方もあるかもしれませんね。重要なのは油揚げだったのです。
「こんたのおつかい」(作・絵: 田中 友佳子 徳間書店 刊) という絵本があります。いつのころからか2歳児たちのお気に入りの絵本になっていました。主人公のこんたがお母さんに頼まれておあげ(油揚げ)を買いに行くというお話です。こどもたちが、とても気に入っていたので、発表会の題材にとして劇遊びを楽しみました。
それだけで終わらせず、次につなげたいという担任の思いもあったのでしょう。おあげを使ったクッキングが、いなり寿司になったのでした。
子どもたちが、絵本の主人公、こんたになりきって、買い物にいったことが想像できて、思わずほほえんでしまいます。絵本で、おあげを売っているのは、くまのおじさんですが、子どもたちが実際にお店に行った時に「くまのおじさん、いないね。」と言っていたそうです。
子どもたちの中で、絵本の世界と、現実とがフュージョンした、ファンタジーの世界が、どこまでも広がっていたのだな、と思います。この時期にしか味わえないファンタジーの世界を思う存分味わわせてあげたいものです。