立春を過ぎて少しだけ暖かくなったかと思ったのもつかの間、また厳しい寒さが戻ってきました。京都府の北部には大雪警報が発令されています。節分前の大雪、その後の暖かさと雨、そしてまた厳しい寒さと大雪です。積雪が多いところの皆さんは大雪はもちろん雪崩や着雪など心配がつきないと思います。近頃自然の厳しさとその大きな力を思い知らされるような災害やできごとが多いように感じます。自然は優しさや癒し多くの恵みをもたらしますが、反面大きな脅威でもあります。その大きな力の前に、人間は為す術もありません。あたりまえのことえすが、つい忘れそうになります。
これだけ、大雪の情報が入ってくるにもかかわらず、鞍馬は全く雪がありません。昨年は雪が多かっただけに、全く雪がないのは、どこか変な感じがします。もちろん雪かきに悩まされることがないのでその点はとても助かるのですが、山に積もる雪が少ないと夏の渇水が気になります。
平成16年5月に鞍馬、貴船にも簡易水道が整備されてからは、用水を確保するための手間や苦労は大幅に軽減されましたが、それまでは個人で山水を引く、井戸を掘るなどして、自分の使う水を確保しなくてはなりませんでした。ですから、雨や雪が少ないと渇水を気にしなくてはならなかったのです。そういう意味では自然現象と生活の結びつきが密接だったといえます。
簡易水道といえども水が無限にあるわけではなく、水源の水量が減れば給水制限などが起こらないとは限りません。山が蓄えている水が少ないと、渇水になる可能性は高いのです。山が水を蓄えるためには、雪はとても重要な役割を果たします。降り積もった雪が4月頃までかかってじわじわと融けると、水がゆっくりと土にしみこんでゆき、山が水を蓄えやすくなるのです。最近はしとしと降る雨が少なく、降り方が激しいので、雨は地表を流れてしまい、地中に染みこみにくくなっています。ですから余計に雪が大切なのです。
たくさん降るととてもやっかいで危険も伴う雪ですが、ほとんど降らないと渇水が気になります。人間の勝手な言い分かもしれませんが、夏は暑く、冬は寒く雪が降り、梅雨には雨と、季節の巡りが順調なのが一番良いのだと思います。