園長ブログ

サプライズ 1

2012/01/28

先日、当園ホームページの「お問い合わせ」ページを通じて、メッセージをいただきました。メッセージをいただくことは少なく保護者か知人からだと思ったのですが、全く存じ上げない方からです。何だろうと思ってプレビューしてみると、私のブログ「防災教育」を読んでくださった方からのメッセージでした。その内容は、

『みんなを守るいのちの授業 大つなみと釜石の子どもたち』(NHK出版)という書籍に、3月11日、釜石の子どもたちがどのように津波から命を守ったのか、その当日の様子と、防災教育の内容について書かれているので、是非先生方に読んでほしい。1冊 贈りたいが、構わないか。

というものでした。申し訳ないと思いましたが、せっかくのご厚意なので感謝して頂戴することにしました。

まさかこんなメッセージをいただくとは思っていなかったので、正直言って驚きましたが、本を贈っても防災教育の重要性を伝えたいと思っていらっしゃるお気持ちに感動しました。改めてお礼申し上げます。
それと同時に、このうれしいサプライズを当園での防災教育を考えるきっかけとすべきだと感じました。
いろいろな方がブログを読んでくださっていることを実感し、気が引き締まります。

翌日、書籍が届いたので、早速読ませていただきました。小学校高学年向けに書かれているので、とても読みやすく、わかりやすく書かれています。新聞記事だけではわかりにくかったことが、実際に避難した子どもたちへの聞き取り調査などをもとにして詳しく書かれていました。

以前ブログで取り上げた鵜住居小学校の児童は授業が終わる前だったので、ほとんどの子が教室にいて、先生の避難指示もあったようです。それでも普段から避難訓練をしているので、「逃げなさい」と言われれば低学年でもどこに逃げれば良いかわかっていて自分で避難できるそうです。
避難する途中に鵜住居保育園の子どもたちに出会って、園児を抱いて逃げた子、園児の乗った手押し車を押して逃げた子もいたことを知りました。
訓練で避難場所としていたグループホームに危険を感じて逃げ、介護福祉施設までたどり着いてすぐにものすごい地鳴りと巨大な波を見た子どもたちは、列はバラバラになり泣き出す子もいるなか更に高いところへとそれぞれに逃げたそうです。逃げる途中津波に追いつかれそうになって、裏山に逃げた中学生もいた事も知りました。
背後に迫った津波からまさに間一髪必死で逃げる子どもたちの様子が、ありありと伝わってきました。

  『みんなを守るいのちの授業』  片田敏孝・NHK取材班 著 NHK出版

スクロール