当園では、3・4・5歳児が1つのランチルームで一緒に昼食をとっていますが、食事が終わるとその日の掃除当番の子どもたちが、テーブルを拭いて足を折りたたんで片付け、床に落ちたごみなどを小さな箒で掃いてから、ぞうきんがけをしています。
先日、園で昼食をとったあと、自分のデスクで事務仕事をしていると、子どもたち何人かと保育士が話をしているのが聞こえてきました。その日掃除当番だった5歳児のSくんが、パソコンで文書を作成していた保育士に何かを言っています。どうやら掃除当番の他のメンバーが、掃除をしないのでどうしようと保育士に相談しているようです。
Sくん: 「せんせー!みんな、そうじしてくれへん!!」
保育士: 「それは困ったなー! どうしたらええかなー?」
Sくん: 「せんせーが エアコンで調べたらええやん!」
Eちゃん 「なんでやねん! パソコンやろ!」
その場にいたみんなは大爆笑!思わず私も声を上げて笑ってしまいました。まさに漫才のボケとツッコミです。子どもも大人もいつもこんな会話をしているのではありません。念のため。(似たようなノリで過ごしているかもしれませんが…)
話すテンポといい、ツッコミのタイミングといい、あまりにも絶妙でおもしろかったので、しばらく笑いがとまりませんでした。
先日、東京で行われた研修に参加した当園の職員が、研修後の意見交換会で自己紹介をしたら、本人はウケをねらったわけではなく普通に話したにもかかわらず、「さすが関西人」と笑いをとったそうです。職員が順に、自分の名前と何かひとことを言って自己紹介をしていたのに、最後の職員だけが自分の名前だけ言ってマイクを置いたのに聞いていた人は、間をはずされて、それが笑いに繋がったようです。
このように一定のリズムで続いてきた中に突然違うリズムが現れることによって間が崩れ、間が崩れることによって笑いが生まれる。同質の中に突然異質が現れ、それが戸惑いを生み出し、その戸惑いを乗り越え、異なる2つがお互いの特性を活かし合いながら結びついたところに笑いが創造される。このような笑いは、クリエイティビティだという説を読んだことがあります。
先の子どもの例でいえば、ボケとツッコミという異なるものが出会い、一瞬の戸惑いを経て、笑いが創造される。ということなのでしょう。
2つの異なるものが、対立しあっていている状態では平行線のままで、新しいものは何も生まれないいのです。異なるものが対立し続けるのではなく、何かの転換を経ることによって、異なる2つがお互いの特性を活かし合いながら結びついて新しい価値を生み出すのです。
異質を排除するのではなく、違いを認め活かすことによってこそ新しいものが生まれるのです。自分の考えと異なるから、やり方が異なるから、と排除するのではなく、新しい価値を創造するために、結びつくことができると良いと思います。
これからも笑いの絶えない園でありつづけたいものです。