旅行ということばを聞くと、どことなく、うきうき、そわそわしてしまうのは私だけでしょうか。東京などで開催される研修に参加するときにうれしい気分になるのは、きっと研修の内容がすばらしく、研修のすべてがなるほどと納得できたり、あっ!そうか!と気づかせていただけるものばかりだからだと思います。
プライベートの旅行はまた違う楽しみがあります。先日、家族と横浜に行きました。私自身にとっては横浜は、中学、高校時代を過ごしたとても懐かしい町です。また、親戚が横浜にいるので久しぶりに訪ねてみました。高校生のころにとてもお世話になった方々で、今回も横浜に行くことを伝えるととても喜んでくださり、ご家族の方々全員が忙しい時間を調整して私たちを夕食に招待してくださいました。久しぶりに会って話すととても楽しく、あっという間に時間が過ぎてしまいます。人のつながりのあたたかさ、ありがたさを感じることができました。本当にありがたいことです。
横浜の観光は、みなとみらい地区から山下公園までゆっくりと歩いてみました。まず訪れたのが、ランドマークタワーです。69階のスカイガーデンは高さが273メートルと、現在日本で一番高い展望台です。私たちが訪れた日は少しガスがかかっていて富士山は見えませんでしたが、条件の良い日には伊豆大島まで見えるそうです。それにしても、眼下に果てしなく広がる空間を埋め尽くすのはビルばかりです。目線を下に移すと、273メートルの高さを実感させられ、こんなに高いところにいて良いのかという気になります。これだけの建物を支える基礎はどうなっているのか、地震や風による揺れなどにはどう対応しているのか。私にはそんなことが気になりました。このスカイガーデンに行くためのエレベーターにも感心させられます。最高速度は分速750メートル(時速45キロ)で運転されています。273メートルの高さに到達するのに40秒ほどしかかかりませんし、違和感もほとんど感じられません。どうやって制御しているのでしょうか。
科学技術の発展には目を見張るものがあり、驚きますし、それらに支えられて今の私たちの生活があるのも事実です。しかし、科学技術の発展と経済成長、それだけが価値のあるものなのでしょうか。一方向に振れた振り子が必ず振り戻すように、同じことが同じように永遠に続くとは考えられません。本当に大切なのは何か。ほんとうの幸せとは何か。今までの価値観をもう一度見つめ直してみる必要があるのではないでしょうか。 地上273メートルの展望台から果てしなく広がるビルの林を見ながらそんなことを考えてしまいました。