鹿、猿と野生動物の話題が続いたので、その他の動物についても書いてみようと思います。鹿、猿以外の大型動物では猪に出会うことがあります。猪はもっぱら夜にしか見かけません。普通に歩いているときに出くわすと危険だと思いますが、幸い今まで猪を見かけたのは、車に乗っているときばかりでした。数年前、保育園前の参道で猪を見かけました。何かが道路を横切るのがヘッドライトに浮かび上がったので、よく見てみると体長1メートルくらいの大きな猪が1頭歩いています。車を止めてしばらく見ているともう1頭後から来ました。その後ろには小さなうりぼうが5〜6頭、きれいに1列に並んで歩いています。猪の家族だったのでしょうか。猪の子どもは生まれてから4ヶ月くらいは、からだに縞模様があってシマウリに似ているのでうりぼうと呼ばれるのですが、本当に瓜が並んで歩いているかのようで、とてもかわいらしかったのを覚えています。
別の日には、大きな猪がものすごい勢いで私の乗っている車に向かって突進してきたので、これはぶつかると思ったのですが、直前で猪が方向を変えてくれたのでぶつからずに済みました。まさに猪突猛進ということばが納得できる走り方でした。よく猪はまっすぐに走るといいますが、障害物はちゃんとよけます。
猪は土の中にいるみみずや昆虫、植物の根などを食べるために土を掘ります。落ち葉を集めておいて堆肥にしている場所にはミミズやカブトムシなどの幼虫がたくさんいるので、よく掘り返されます。以前に比べてカブトムシやクワガタムシを見かけることが少なくなったように思うのですが、猪が幼虫を食べてしまうからかもしれないと勝手に考えています。春になると竹やぶに少しだけ竹の子ができるのですが、最近はほとんど猪に食べられてしまって、採れなくなってしまいました。猪はいろいろなところを掘ります。結構固い地面でも鼻と牙を使って掘り起こしますし、かなり大きな石を動かすこともあります。
猪の肉は滋養強壮の効果があるといわれ、食用にされます。食べ方として最もポピュラーなのがぼたん鍋でしょう。鞍馬や貴船でもぼたん鍋を出しているお店があります。薄く切った猪の肉を皿に牡丹の花のように並べるので、ぼたん鍋と呼ばれるのです。冬にぼたん鍋をいただくと身体が温まるといわれています。このあたりは禁猟区なので、このあいだ見かけた猪が、お皿にのっているということはありません。ご心配なく。
山にはいろいろな動物がいます。