誰かと話しをするときに、どんな位置関係で話しをするのかには、いろいろな方法があります。
一般的には相手と向き合って話すことが多いのではないでしょうか。相手のことをしっかりと見つめ理解しようとするためにも、また相手を受けとめるためにも向き合う必要があります。相手の目を見て話すためにはこの方法が最適でしょう。
カウンセリングを行う場合、カウンセラーとクライアントがL字型に座ると良いと言われることがあります。これは初対面の場合や、話しにくい内容を話す場合の心理的な圧迫を軽減するためです。この位置関係であれば、クライアントが目を合わせたいときには合わせられますが、そうでないときには視線を外すこともしやすくなります。
珍しい方法かもしれませんが、並んで座るという方法もあります。並んで座ると同じ目線で同じものや同じ方向を見ることができます。初対面ではなく、お互いを知っていてある程度信頼関係も構築されている場合は良い方法かもしれません。
話はそれますが、京都のまん中を北から南に鴨川という川が流れています。季候の良いころの夜に三条や四条の橋の上から鴨川を見ると、何組ものカップルが、計ったように一定間隔で並んで河原に座り、語り合っている姿が見られます。向かい合っているカップルはほとんどいません。どのカップルも並んで座って川の方を向いています。洋画では、よく愛し合う男女がお互いに目を見つめ合って I love you. と愛を語るシーンがありますが、邦画では二人が肩を並べて座りながら語り合っているイメージがあります。日本人にはそっちが合っているのでしょうか。こんなことを書くと「昔の青春ドラマじゃないんだから!」という声が聞こえてきそうですね。
恋愛関係だけではなくても、解決すべき問題を一緒に見たり、進む方向を見つめる場合などは、この方法が良いと思います。共に問題解決に取り組んだ仲間には一体感が生まれ、心の距離が近づきます。
お互いの関係性や目的によっていろいろな向き合い方があります。どれかひとつが絶対ではなく、そのときその場に最適な方法が選べると良いですね。