園長ブログ

小春日和

2011/12/09

朝早くには冷え込んだものの、お昼前には小春日和となったある日、0・1歳児が園の近くでゆったり遊んでいました。日向でゆっくりしているとお日様のあたたかさが柔らかく背中を包んでくれます。

1歳になった男の子が、参道のなだらかな階段を後ろ向きにハイハイしながら下りています。2〜3段下りては、階段に腰掛けて自分の行きたい方向を確かめるかのように下を眺め、また後ろ向きにハイハイします。ひたむきに階段を下りる姿と、休んでいるときのほっとしたような姿がかわいらしかったので、私は階段の上の方の少し離れたところからしゃがんで彼を見ていました。ふと目が合い、彼はじっと私を見つめます。どうしたいのだろう?と思いながら見ていると、またハイハイし出しました。今度は階段横のスロープを下ってみますが、あまりしっくりこないのか、階段に戻ってきます。ずっと見ているとまた目が合いました。しばらく私を見ていた彼はくるっと後ろを向いて階段の下を指さします。まるで「あっちに行くんだ!」「あっちに行きたいんだ!」と言っているようです。「あっちに行きたいの?」と声をかけると階段の下の方を指さしたまま、振り向いてじっと私を見つめます。私もじっと彼を見つめます。そして彼はまたハイハイを始めました。しばらく行っては座って、自分の向かっている方向を指さして私の顔を見ます。「見ててくれてる。あっちに行くんだよ!」と言っているのでしょうか。

ちょこんと座って、何か言いたげに指をさす彼に参拝者が「かわいいね」といいながら通り過ぎてゆきます。そんなことを繰り返しているうちになだらかな階段を下りきり、最後少し急な4段ほどはおしりで下りていました。平らなところに下りるとトコトコと歩いて友達が遊んでいるところに行きました。

「後ろ向きにハイハイして下りてきたよ。」と私が保育士に言うと「普段は歩いて下りるんですけどね。しばらく風邪でお休みしていて、久しぶりに来たから不安だったのかな。」と保育士。「早くお友達の所へ行きたいけれど、久しぶりの階段を歩くの不安だな。」と思っていたのかもしれませんし、ハイハイを楽しんでいたのかもしれません。

暖かい日差しにつつまれてひたむきに階段を下りる彼の姿はとてもステキでした。

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