砂場の枠に変身してもらうことになったムクノキの幹、そのままでは使えないので、知り合いの大工さんに相談してまずは製材することになりました。そのためには大きな丸太を園庭から運び出して製材所に持ってゆかなくてはなりません。保育園の職員ではとても手に負えないので、お寺の管理部のみなさんにお願いしました。どうして園庭の外に引き出してトラックに積むのかと思っていると、まず幹を少し持ち上げて下にコロと呼ぶ細い丸太を何本か入れ、幹に掛けたワイヤロープを軽トラックで少しずつ引っ張ると、細い丸太が転がって上に乗った幹が動く、という方法でうまく園庭の外に出してくださいました。パワーシャベルで吊り上げてトラックの荷台に積まれた幹はそのまま製材所へ。2時間ほどしてもどってきたときには、細長い材になっていました。大工さんによるとこのままでは使えないのでしばらく乾燥させないといけないとのこと。1年以上も園庭に置いておいたので、ある程度乾燥しているかと思ったら、そんなことはないようです。
約1ヶ月乾燥させると、ひび割れができたり反ったり製材したときとは随分形が変わっていました。枠になるように加工するのですがその前にもう一度製材所へ運んで反りを修正してからでないとうまく行かないということで、再度製材所で修正してもらった後に、加工を大工さんに依頼しました。
2週間ほどして各パーツに加工できたので、それを園庭に運んで四角く組み立てます。加工された材料を見て驚きました。きれいに磨かれまるで家具のようになっているのです。色もオイルステンかニスを塗ったような味わいのある色になっています。これは、防腐作用のあるものを塗っておいた方が良いと思って塗ってもらった柿渋の色でした。強力な防腐剤はいろいろとあるのだと思いますが、子どもがさわることを考えて天然の材料からできたものをということで柿渋を塗ってもらったのです。外に置いてしまうのはもったいないような仕上がりです。
美しく加工された部品を園庭に運んで、組み立てです。完成したときに、角が丸くなるように加工してあり、組み立て方もなるほどと思うやり方でした。日曜日の午前中かかって組み上げた砂場の枠はとても立派なものになりました。翌日登園してきた子どもたちは、大きな木枠を見て、「これなにー」といいながら上に登ったり、中に入ったりして遊んでいました。あとは穴を掘って砂を入れるだけです。