園庭のムクノキは薄い黄色の葉をたくさん落として、すっかり冬支度が整ったようです。枝の先には小さな実がなっていて食べることができるのですが、実のつく枝が高いところにあるので、採ることができずあまり食べることはありません。
高いところが枯れて危なくなったので切り、芽が出るかと思って残していた幹からは芽が吹かず、それも切り、切った幹を園庭に置いたら、子どもがテーブルやベンチにしたり、平均台のように渡ったりして楽しみました。そうして園庭の一部となっていたムクノキの幹ですが、1年ほどが過ぎ「いつまでもこのままにしておくより、次に何かに活かせないですか」との保育士の提案に、みんなでいろいろと考えました。輪切りにしてベンチとテーブルにするという案も出ましたが、それは最初に切った幹の上の方の部分で既に作って園庭に置いていました。
現在、当園には砂場がありません。2年ほど前になると思いますが、古くなった固定遊具を撤去して、新しくすべり台、のぼり棒、鉄棒を設置したときに砂場も埋めてしまっていたのです。今年の春に保育士から園庭に砂場がほしいという要望が出ていて、カタログから既存の製品をいろいろと探したのですが、あまり適当なものが見つかりません。どうして砂場を作ろうかと考えていたときに、園庭で充分に役目を果たしたムクノキの丸太をどうしようかという話が出てきて、この二つが結びつきました。ムクノキで砂場の枠を作ろう!
方向性が決まると、いろいろなアイデアが出てきます。どうせ作るならできるところは自分たちでやろう。せっかくなら保護者にも手伝ってもらおう。そんなこんなで、ムクノキ砂場プロジェクトが動き出しました。とてもゆっくりですが着実に…
砂場のプランを考えていたときに、ただ枠を置いて砂を入れるだけなら簡単だけれど、子どもが深く掘りたくても掘れないし、地面を掘って砂場を深くすることはできるが、水はけはどうなるのだろう。いろいろな疑問が出てきました。しかし、そこで考えてばかりいてはプロジェクトが前に進まないので、基本に戻りました。「子どもが思いっきり遊べる砂場にしたい!」それなら地面を掘って深さを出そう。園庭の土の質も掘ってみなくてはわからないし、ダメならまたそこでどうするか考え直せばよい。よく言われることですが、先ずはやってみることですね。考えてばかりでは何も前に進みませんから…
紅葉が美しくなってきました