鞍馬に「くらmama」という子育てサークルがあって、子育て中のお母さん方が集まって、手芸をしたり、おしゃべりしたり、たこ焼きパーティーをしたり楽しく活動していらっしゃいます。その「くらmama」さんにお誘いいただいて、一緒にオルゴールを聞く会を開催しました。
オルゴールはみんなよく知っていますし、聞いたことがあると思います。私も最初はオルゴールそのものよりも、いろいろな人が園に集まってきていただいて一緒に何かができる。つながりが広がるということに主な意義を感じていました。ところが、事前の打ち合わせで様々なオルゴールを体験させていただいたときに、その音色の優しさと音の深さに驚きました。それもそのはず、聞かせていただいたオルゴールは72弁といって、音を出す櫛形になった部分に櫛の歯が72あるのだそうです。72音階の音が出せるということです。私が知っていたのはせいぜい18弁くらいなので、出せる音の数が圧倒的に違います。もちろん単純に出せる音が多いからだけではなく、様々な部分の作りがちがうのでしょうが、そこだけとってみても違います。そのステキな音色を奏でるオルゴールを共鳴箱の上に置いていただいたら、そのすばらしさが一層増しました。音のボリュームが増すだけでなく、聞き取りにくかった周波数が聞こえるのか、様々な音が響き合うのか、音が更に深まり、まさに楽器です。打ち合わせもしばし中断で、音色に聞き入ってしまいました。正直言ってオルゴールがこれほどのものだとは思っていませんでした。最近の電子的に処理した音になれてしまった耳には、とても新鮮に響いてきます。ともすれば、便利さにつられてバーチャルが多くなってきているこの頃ですが、そんな時だからこそ、本当(実際)の物(=ホンモノ)のもつ存在感に触れる機会があった方が良いと感じました。それにしても、心が落ちつくやさしくて柔らかな音色です。気持ちよく聞き入っていたら、「オルゴール療法」というのがあって、心と身体の調子をを整えるのにオルゴールの音が効果があるということを、演奏してくださる方が教えてくださいました。納得できます。
オルゴールは共鳴箱を使ったとしてもそれほど大きな音が出るものではないので、必然的に耳を澄ませて、演奏に意識を集中して「聴く」ことになります。五感の内の聴覚を意識して使うことになります。子どもたちが、どれくらいオルゴールの音に聴き入るのか、楽しみになってきました。