スリランカの得度式に初めて参列させていただきました。あどけなさいっぱいの11歳の少年の得度式でした。式典はシンハラ語ですすむので、なにが行われていつのかはよくわかりませんが、仏法僧の三宝に帰依するなど、少しはわかるところもありました。式がすすむにつれて、何が行われているのか少し想像がつくようになると気になり出したのが、得度する少年のすぐ後ろに坐っていらした女性2人です。1人は中年、もうひとりは年配の女性です。気になったのは、とても複雑な表情をされていたからです。年配の女性は、時折ハンカチで目を押さえていらっしゃることもありました。なぜだろうと考えていて、ふと思ったのが、この2人の女性は得度する少年の母親と祖母なのではないかということです。息子や孫が得度をして僧侶になることはうれしい反面、自分の手元から離れていゆく寂しさのような者を感じていらっしゃるのではないかと思えたのでした。式が終わってからスタッフの方にたずねると、やはりそうでした。
得度した少年僧のキラキラした瞳が印象的な式でした。
スリランカの得度式に参列するというご縁をいただき、とてもありがたく思います。
南の国 4
2016/02/25