世界には、成人するための様々な通過儀礼があります。そういった通過儀礼は往々にして困難や恐怖を伴うことが多いように思います。鞍馬村の通過儀礼は、鞍馬の火まつりにおける「チョッペン」というしきたりです。
京都新聞の「観光・京都おもしろ宣言」とうホームページ
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/special/omoshiro/hito02_02.php
に「チョッペン」について記した記事があったので、引用させていただきます。
チョッペン−。言葉も不思議なら、そのスタイルも奇妙だ。鞍馬地区独特の、大人デビューを果たすための重要な儀式である。たいまつの派手さに隠れて、あまり知られていない。
炎の嵐が収まり、午後9時を回ったころから二基の神輿(みこし)の渡御が始まる。若者たちに担がれた神輿は、女衆の引き綱でコントロールされ、そろそろと山門下の石段を降りる。この時、その左右の担ぎ棒の先端に注目だ。そこには締め込み姿の若者がぶら下がり、足を逆さ大の字にし、それを担ぎ手がさらに押し上げる! なんとも珍しいセレモニー。
もしものことがあれば、神輿の担い棒に押しつぶされて、いのちを奪われるかもしれない。その恐怖に絶えることが通過儀礼になっているように思います。
獅子舞の獅子に頭を噛まれることが、通過儀礼とはいいませんが、どうしようもないことを泣きわめきながらも経験することも、発達につながるのかもしれません。