「ひとつずつ心を込めて丁寧に!」は一生涯の課題のような気がします。チャレンジ体験で一緒に過ごした中学生の皆さんと、こんな課題に取り組みました。
中学生達は、朝9時から夕方4時頃までいるので、昼食をとる時間があります。通常であれば昼食をはさむ1時間は休憩時間で、好きな過ごし方をしても良いはずですが、中学生の皆さんには、敢えて決まった作法で食事をしていただきました。
そのなかで、中学生の皆さんには次に2つのことをお願いしました。
1. 食事中はできるだけ音を立てないようにする
2. 食べ終わった後の器をできるだけ美しくする
食べ始める前に、この2つの課題を提示して、昼食が始まりました。中学生のみんなは、どうすれば課題をクリアできるのか、食べながら試行錯誤していました。
食事の後、お願いした2つのことにはどういう意味があるのか、一緒に考えました。
その結果、まず食事中できるだけ音を立てない。というのは食事をいただくことに集中するということだという結論に至りました。食器の取り置き一つでも神経を集中しないと不用意な音を立ててしまいます。固い物を噛むときなど、どうしても音が出ることもありますが、音を立てないように使用と意識することで、ずいぶん噛み方も変わってくるものです。
自分自身の動作の細部に至るまで一つ一つ意識することは、普段はあまりしていないと思います。音を立てないで食事をいただくということを意識するだけで、自分自身の動作一つ一つに意識を運ぶ事ができます。自分の動作に意識を集中することで、一つ一つの動作を丁寧に行う事につながるのです。
普段お茶碗を置くときに、「お茶碗を置く」と意識して置いていますか?どうすれば、音が出ないか、工夫することで、お茶碗を置く瞬間の自分自身の動作を意識することができるのです。