年長児達が自分たちで工夫しながら劇を作り上げてゆく過程を知ることはとても楽しいものでした。毎日子どもたちと過ごしている保育士の先生方はもっと楽しいんだろうなーとも思いますが、楽しいが大きいということは、その奥にある先生方の努力も大きいということです。
年長児たちは、劇の練習を何度も何度も繰り返して行っていました。それは練習と言うよりは、表現を楽しんでいる。こうしたらもっと良くなるかな?と楽しい試行錯誤を繰り返しているという感じでした。でも、いくら楽しくても、あまり何度も何度も練習すると、少しは飽きてきたり、気が抜けてきたりするものです。あるとき少しおふざけが過ぎてしまった練習がありました。保育士の先生は子どもたちの気持ちが少したるんできたと、思ったのか、そんな態度じゃ見てくださる皆さんに失礼だと思う。どうすれば良いかみんなで相談して欲しい。と子どもたちにいいました。すると子どもたちは舞台の上で車座になって、話し合い始めました。一人が、「せっかくみんなで、ここまで作り上げてきたんだから、発表会でお父さんやお母さんに見てもらえる劇にしようよ。それに魔女さんにだって、ステキな劇を見せてあげたいし」と切り出すと、「でも、あんまり練習ばかりじゃ疲れるよ。」という声もあがります。そうやって子どもたちで何か話し合って、見る人たちが喜べるように、もう少しがんばってみようという結論に達したようでした。
そんな風に自分たちで話し合って自分たちで方向性を決める。みんなが納得して進めるように考えられるって、すごいと思います。大人だって、大人だからこそかもしれませんが、簡単にできる事ではありません。子どもたちってすごいな!って感心した瞬間でした。