発表会で、ことばを中心とした表現に取り組んだ、3・4・5歳の子どもたち、保護者の皆様には、表現やことばの発達の過程をご覧いただけたのではないかと思います。劇での表現は発達によって異なります。3歳児は役は決まっていますが、台詞をきっちり決めて、しっかり練習しておぼえて発表すると言うより、自分の思うように絵本を表現します。ですから見ている人にとっては、少しわかりにくいとこもあるのかもしれません。できるだけ子どもたちそれぞれの表現したい気持ちを引き出し、それぞれに表現して欲しいという理由からそうしています。バラバラのように見えても、よく聞いていると子どもたちは絵本のことばを正確に表現していることが多いのです。
4歳児くらいになると、台詞も役もはっきりしていますし、ストーリーも表現してくれます。舞台の上では緊張のあまり声が小さくなったりしてしまうこともありますが、少しまとまって、劇らしくなってきます。
そして、5歳児では自ら進んで表現しようとします。そして、その表現がどう見えるのか、どのように見てもらえるのかを考えて表現するようになります。表現している自分が観客からはどのように見えるのかを考えるようになるのではないでしょうか。そういった視点も持ちながら、劇をするので、台詞に感情がこもったり、立振舞もいろいろと考えます。
そこに共通しているものは、子どもがどれだけそのお話に親しみ、心を動かされているかということです。それはただ、単に長い期間お話しの読み聞かせすればよいというものでもなさそうな気がします。