魔女さんをきっかけに、子どもたちの心の中に広がったファンタジーの世界は、広く高く大きくなり、そして子どもたちはその世界で空想の翼を広げて、思う存分飛び回っているように感じました。
おとまり保育が終わってからも、ときどき魔女さんからのお手紙がとどきました。子どもたちの中のファンタジーの世界はどんどん広がっていったようです。
そうしているうちに、暑い夏が終わり、涼風が立ち始め、運動会が近づいて来ました。前にも書いたように、運動会の開会ではみんながダンスをします。そのダンスにも、何か魔女と関係する曲を選びたいと子どもたちが言いだして、先生たちが一生懸命考え、探したのが『魔法使いサリー』でした。それに子どもたちと相談しながら振りをつけて、ダンスを完成させたそうです。
この頃には、魔女さんは子どもたちにとって、大きな存在になっていたのだと思います。「魔女さんは、運動会を見に来てくれるかなー」「がんばるから、応援しに来てね」
といった、ことばが聞かれるようになりました。魔女さんに見に来てもらいたい!だからがんばる!といったことをいう子が増えてきて、魔女さんは子どもたちの気持ちの後押しをしてくれるようになりました。