子どもたちが想像力をいっぱい使って、空想の世界で思う存分遊ぶことができるように、昨年は天狗が登場しました。子どもたちの空想の世界をより楽しくするために、現実の世界も天狗に関する物がいろいろ登場していました。天狗の歌を作詞作曲して、レコーディングしてしまった保育士の先生もいました。それに振りをつけて、ダンスにしてみんなで踊るなど、先生たちも想像力いっぱいでした。
今年は、天狗に代わって魔女が登場です。毎年ストーリーは夏前に始まります。年長児たちが、おとまり保育を前にしていろいろと計画を立て始めようかとする頃、魔女から手紙が届きました。
実は突然魔女が表れたわけではなく、向いの山の麓に小さな公園やお寺、お宮があります。その近くに廃屋があって、向いの山に散歩に行くときは、必ずその前を通ります。その廃屋が、いつの間にか子どもたちの中で、「魔女の家」と呼ばれるようになりました。それが、年長児から年中児へそして下の年齢へと伝わっています。
子どもたちのいろいろなことは、そうして下の年齢へと伝わって行き、その中で子どもたちの文化が生まれてくるのです。人をいたわり、優しいことばをかけることも伝わってゆきますし、反対に厳しく注意したり、とがめたりすることも伝わってゆきます。そのモデルは周りにいる大人ですし、大人が何を意図して、子どもに接するかがとても大切になってくるのです。
そうやって、子どもたちに伝わってきた魔女の家には、魔女が住んでいる。と子どもたちは信じています。その魔女から手紙が届いたのです。