はじめて鞍馬で行った徘徊模擬訓練。鞍馬学区の方がどれくらい参加してくださるのかと少し気になっていましたが、開始時間の10時を待たずに大勢の方が集まってくださり、駅前で声かけの訓練を行いました。徘徊者役の方が歩いていらっしゃるところに声を掛けるのですが、訓練とわかっていても何と声を掛ければ良いのか、返ってくる反応にどう対処して良いのかというのは、咄嗟には難しいと思うのです。それなのに、みなさんやさしく寄り添うように、またフランクに話しかけていらっしゃる様子は、事前に練習されたのかと思うくらいでした。それもお一人ではなくほとんどの方が、やさしく親切丁寧に接してくださっていたのです。普段認知症の方に接していらっしゃる施設の職員さんが、声かけについてアドバイスをしてくださっていたのですが、その方も「皆さん上手ですね。」と感心していらっしゃいました。
皆さんあんまり上手なので、対応の方法も発展してゆきました。警察署に繋げることとか、電車に乗るとおっしゃったら、駅員さんにケアしてもらえるように伝えるとか、もし連絡先など教えてもらえるようなら教えてもらって連絡するなど、その方がどこか遠くに行ってしまったり、さらに迷子になってしまわないよう自分ができる事をやる方法、その時に気をつけなくてはならないことなど、施設の方がアドバイスしてくださいました。
訓練が必要なのはわかるけど、徘徊しているかもしれないような人に出会う機会なんてそんなに無いんじゃないの?と思う方も多いかもしれませんが、決してそうとばかりは言っていられません。今年、当園の運動会は鞍馬小学校の校庭をお借りして行いましたが、運動会の途中に施設の方が会場に来られて、認知症の方が行方不明になっているのですが、こんな特徴の人は来ていませんか?と施設から出て行った方を探していらっしゃいました。行方不明になっていた方は施設の近くで無事に保護されたそうですが、このことをみても、決して遠くで起こっている事ではないのです。