火まつり当日、鞍馬街道はたくさんの観覧者であふれます。火祭りの行われる10月22日の日中には、時代祭が京都市街で行われます。時代祭が終わる午後には、鞍馬を目指す人が増えはじめます。京都市街と鞍馬を結ぶ叡山電車もとても混雑し、乗車制限が行われた年もあったそうです。鞍馬街道は午後3時を過ぎると自動車の通行ができなくなります。
実は10月22日の前に火祭は始まっています。10月16日には「宵宮祭」といって、火祭りの無事を願う神事が行われるのです。この日から各家の軒先には「御神灯」と書かれた提灯がかけられます。
午後6時に、これから祭が始まるという合図に「神事にまいらっしゃーれ」と呼びかけて回る「神事触れ」という儀式が行われます。これを合図に各戸のかがり火に火が入り、小さな子どもたちの松明から順に鞍馬街道を練り歩き始めます。続いて松明がだんだんと大きくなり、「サイレヤサイリョ」のかけ声と共に大松明が、練り歩きます。上(かみ)、中(なか)、下(しも)の各地区から鉾が出て、山門前の鞍馬街道に集まってきます。