今の子どもの姿、興味関心から出発して、どのような環境を構成すれば、子どもたちの興味関心が深まるのか広がるのか考え、試行錯誤しながら環境を構成してゆくのが保育者の仕事だと思います。言い換えれば、先生が前に出て主役になって一斉画一的に教え込むのではなく、主役はあくまでも子どもです。保育者は主役である子どもたちの今をしっかりとらえて、ひとりひとりが、いかに深く環境と関われるのか知恵を絞るのです。もちろん環境を構成するにあたっては、保育者の意図もあります。こんな力をつけて欲しい、こんな経験をして欲しい。今だからこそみんなで協力し合う遊びが発展して欲しい。などなど先生方の意図があってしかるべきなのです。
例えば、夏前からは運動遊びがたくさんできるような環境がたくさん用意されて、子どもたちが、いつもよりも運動遊びに取り組みやすくなります。そこで、興味を持ちやってみたい!出来るようになりたい!と意欲をかきたてられて挑戦することで、とび箱が跳べるようになった。登り棒が登れるようになった。といった達成感や満足感を味わうことができます。そんな歓びが運動会で発揮されるのです。
さて、園庭で木の枝を振り回すことで、戦いごっこばかりしていた子どもたちですが、先生が枝を他のことに使えないかと提案することで、戦いごっこが、打楽器遊びに発展しました。戦いごっこが一概にダメとは言いませんが、そればかりではなく、他の使い方を提案することで、子どもたちの遊びが新たな展開を見せます。もしかしたら、気持ちも戦いの「対立」から共に音を楽しむ「協力」「協調」へと変わるかもしれません。「棒は戦うためだけにあるのではないよ。こんな遊びも楽しいよ。」と子どもたちに知って欲しいという保育者の意図の表れだと思います。
そんな活動の中から、ペットボトルをたたいて踊ることを運動会で披露しようと、子どもたちと話し合って決めたそうです。