地蔵盆が終わって数日が過ぎたある日のことです。保育士の先生と話していたら、急に何かを思い出したように、「地蔵盆の時のこと覚えていますか?」と先生がたずねます。地蔵盆の何を覚えているのかと聞いているのかな?と考えていると、「みんなで童形六体地蔵尊の前でお参りをした後の挨拶の中で、園長先生は、お地蔵さまも笑っていらっしゃるという話をしましたよね?」と言います。
確かに、年長児が一所懸命にお身拭いをして、卒園児のお母様が作ってくださった、よだれかけを着けてさし上げて、皆様からいただいたたくさんの供物をお供えして、みんなでお経を唱えて、多くの方々のお地蔵さまに対する思いがたくさん集まって、今日の日を迎えられたことを思い直しながら、きっとお地蔵さまは歓んで、笑ってらっしゃるだろうな。という気がしたので、そんなことを言ったのを思い出しました。
保育士の先生にそう説明すると、「園長先生はどのお地蔵さまが笑っていらっしゃると思ったのですか?」と更にたずねます。最初何を言っているのか理解ができず、「どういう意味だろう」と考えていたら、考えている私の顔に気づいたのか、「六体いらっしゃるお地蔵さまのうちの、どのお地蔵さまが笑っていらっしゃると感じたのですか?例えば右から何番目とか左から何番目とか。」といいます。「細かいことを聞くんだなー」と思いましたが、「六体のお地蔵さまみんなが笑っていらっしゃるだろうなー!と思った。」と伝えました。
「そうですかー」というので「どうして?」とたずねると
「私には見えたんです。右から二番目と三番目のお地蔵さまが笑っていらっしゃるのが!しかも園長先生が、お地蔵さまも笑ってらっしゃるといった瞬間にお地蔵さまのお姿が輝いて、笑っていらっしゃるように見えたんです。それが、右から二番目と三番目のお地蔵さまだったんです。」と興奮気味に伝えてくれたのでした。
不思議なことがあるものですね。