園長ブログ

浄める 2

2015/09/12

園の入口にいらっしゃる、童形六体地蔵尊。子どもたちは登降園のときにいつも手を合わせています。地蔵盆を前に、年長児たちが、いつも守ってくださってくださっているお地蔵様のお身拭いをしました。楽しく、そして真剣に取り組んでくれたので、お地蔵さまもずいぶん美しくなりました。40分くらいがんばったので、「そろそろ、おしまいにしますか?」と保育士の先生が声をかけると、何人かの子どもたちは、満足げな顔でうなずいて部屋に入りましたが、4人の女の子が「もっときれいにしたい!」と言いだしてお身拭いを続けることになりました。

しばらくしてから、お身拭いはどうなったかな?と思って見に行くと、4人のパワーは衰えることなく一所懸命にお身拭いを続けています。磨き残したところを探しては美しくしていました。子どもたちの神神しいともいえる子どもたちの姿に、私は「せめて少しでも手伝わせてください。」という気持ちになりました。「先生も手伝っていい?」ときくと「うん!いっしょにやろ!」と快く受け入れてくれました。子どもたちと並んでお地蔵さまを磨いていると、子どもたちの一所懸命さが肌で感じられて、うれしいというか、ありがたいというかとても幸せな気持ちになります。ありがたいことだなと思いながらお身ぬぐいを続けていると、自然とお地蔵さまのご真言を唱えていました。子どもが「何言ってるの?」「あっ!知ってる!お数珠まわしの時に言うことばや!」と口々に言います。地蔵盆の行事の最後に園舎の2階でみんなで輪になって数珠繰りをするのですが、その時にお地蔵さまのご真言を唱えるのを、子どもたちは覚えていたのです。
ご真言を唱えながら、お身拭いを続けていると、子どもたちの1人が、般若心経を唱え出しました。「おっ!そうきたか!」と思いながらこちらも声を合わせると、次第に他の子どもたちも唱えだして、全員で大合唱といった感じになり、般若心経を一巻唱えていました。そんな子どもたちの姿は目の前にいらっしゃるお地蔵さまそのものだと思いました。

お地蔵さまは、様々な姿になって苦しんでいる人々を救ってくださるそうです。子どもたちは、お地蔵さまですね。お地蔵さまが子どもの姿になって、私たちを導いてくださっている。そう思うと、ありがたい以外になにもありません。子どもだけではありません。子どもも大人も、もしかしたら、鳥や虫や花も、お地蔵さまかもしれませんね。いつもそう思っていられたら、どんなにありがたいことでしょう。子どもたちからそんなことを教えてもらいました。

20150911_浄める2

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