市原野小学校で運動会がありました。14日の午後から15日未明にかけてずいぶん雨が降ったので、延期だろうと思い込んで仕事をしていたら、運動会決行という情報が飛び込んできたので、慌てて応援に行きました。
市原野小学校は当園から3.5キロメートルほど離れたところにある小学校で、この学区からたくさんの子どもたちが当園へ通ってきています。当然、卒園生もたくさん通っているので、行事の案内を頂くと参観に行っています。この地区は、宅地開発が進み、新しい住宅に若い世代の方々がたくさん入居され、子どもの数が増えています。
私が叡山電車に乗って小学校に着いたころには午前中の競技が半分ほど終わってしまっていて、3年生と4年生がダンスをしているところでした。人数が多いので迫力があります。9月に児童数の少ない鞍馬小学校の運動会を見ていたので、余計にそう思うのかもしれません。わずか2キロメートルほどしか離れていない2つの学校で、一方は児童が少なくて困っているのに、もう一方は児童が多すぎる状況です。
他の自治体なら統廃合させるところでしょうが、京都市の場合は、地域の意向を最大限に尊重しています。それは京都の小学校の成り立ちの特殊性によるものです。京都の小学校のはじまりは番組小学校といいます。明治政府が明治5年に学制を発布して学校制度をスタートさせましたが、それに先立つ明治2年に京都の町衆が当時の住民自治組織だった番組を単位として作ったのが番組小学校です。小学校は地域が作ったという伝統もあり、小学校は地域の学校という性格が強く、行政の都合だけで統廃合が決められるわけではないようです。だからこそ地域住民が学校をどうしたいのかを真剣に考える必要があります。また、学区の範囲が厳格に定められていて、特別な理由がある場合を除いては異なる学区の小学校には通うことは難しく、2キロメートルしか離れていない学校で過疎と過密が発生してしまうのです。
せっかく行政が地域の意向を尊重してくれるのですから、それ活かして地域と学校と保護者が「子どもの育ちにとって本当に大切なこと」をしっかりと見据えて共通理解をすすめ、そのためにそれぞれができることを行えるしくみが機能してゆくと本当の意味での地域の学校になるのではないでしょうか。
運動会の競技から、子どもたちが積極的に取り組んでいるという印象を受けました。PTAの競技というのもあって、たくさんの保護者の方がボール送りで盛り上がっていらっしゃる姿から、一体感が感じられました。卒園生を探すのですが、人数が多すぎてなかなか見つかりません。でもそれぞれの種目に全力で取り組んでいる子どもたちの姿を見ることができ、短いながらも楽しい時間を過ごすことができました。