子どもたちは、たまごからかえったおたまじゃくしを一生懸命育てました。毎日餌をあげたり、水を替えたり、水槽が汚れたら洗ったりと本当に一生懸命です。この一生懸命さも、そこから生まれる楽しみも、ただ、おたまじゃくしという環境があるだけでは、それを味わうことはできません。一見、子どもたちがただ楽しんでいるように見えるのですが、そこに行き着くまでは、保育士の先生方の様々な思いや努力がつまっているのです。子どもたちは好奇心や探求心が旺盛なので、すぐにいろいろなことに興味を持ちます。興味を持つ対象が身のまわりに豊富にあれば、それだけ熱中して取り組む機会が増えることになります。子どもが自ら環境に働きかけやすくなります。しかしなんでもかんでも用意できるわけではありません。ですから、今何をどれだけ用意するのか、どんな環境を構成することが、今目の前にいる子どもたちの発達を促すことにとって最も良いのかを考える必要があります。また、ただ物が置いてあるだけではなく、どこに何があり、どうすれば自分のやりたいことができるのか、子どもにとってわかりやすいことも大切です。
こどもの興味を膨らませ、自ら環境に関わり、自ら育ってゆくためには、物的環境、人的環境、自然や社会の事象という環境を用意し、子どもと環境をつなぐ努力が保育者には必要なのだと思います。
子どもが興味を持つこと、興味を持ったものやことに関わること、興味が持続したり発展してゆくこと、そのためには、ただ環境があるだけでは十分ではありません。子どもがより興味をもって環境に関わる事ができるように繋げてあげることが必要になるのです。そして、興味関心が持続するためには、様々なことばがけや、仕掛けが必要なこともあります。