年中児と年長児あわせて22人がおいも掘りに行ってきました。滋賀県守山市にお住まいのお寺のご信徒が畑を提供してくださり、毎年春にいもの苗を植えて、秋に収穫させていただいています。今年は、いものつるや葉が生長した姿を見ようと、夏にも一度水をやりに行きました。広い畑にたくさん植え、たくさん収穫する経験できるので、毎年お世話になっています。
朝から少し曇りがちの天気となり、絶好の野良仕事日和です。みんなでバスに乗って出かけました。バスの中では保育士のギターに合わせて歌ったり、おしゃべりをしたり楽しく過ごしたので、畑までの45分はあっという間です。
畑に着くと、さっそく掘ります。畑の持ち主さんやお寺の方々が、よく茂ったつるや葉を前日に刈っておいてくださったので、すぐに掘ることができます。それでも、自分たちが植えた葉がどうなっているのかがわかるように一畝分だけはつるや葉を残してもらっていました。
大人の助けを借りずに自分の力で一株分を掘り出すことにみんなで挑戦しました。子どもたちはスコップをもっていないので、手で掘り出すしかありません。やってみるとわかるのですが、これが結構大変です。いもが見えたからといってあわてて引き抜こうとすると、ポキッと折れてしまいまうので、根気よくいもが全部見えるまでまわりの土を掘らなくてはなりません。やりはじめると子どもによって取り組む姿勢がいろいろです。黙々と土を掘り続ける子、「できない!できない!」と賑やかな子、少しやってみて手強いとわかると、あきらめて大人がスコップで掘ったところから次々といもだけ取り出す要領の良い子、隣の友達とのおしゃべりに夢中な子・・・ ほんとに、いろいろな姿があります。
子どもたちには、どうしてもできなくて、手伝ってほしかったら、「手伝って」と言ってね。と伝えてあります。しかし大人は「手伝って」といわれても必ずしもすぐに一緒に土を掘るわけではありません。「ずいぶん掘れたね」「おいもが見えてきたよ」「もう少しだね」とその子の努力を認めて励ます。「反対側の土もどけてみれば」とアドバイスをする。「おいもの先の方はどこまで続いてるのかな」と更に興味がもてるようにする。などすると、あきらめかけていた子どもたちは気を取り直してまた掘り始めます。何度かそれを繰り返すうちに、ほとんどの子は自力でいもを掘り出していました。もちろん、必要だと判断すれば一緒に掘ることもあります。どこでどんなふうに対応するかは、そのときそのときで違うので、状況を見極めて適切に判断する必要があります。
多くの子が、自分でいもを掘り出すまで取り組んでいました。中には大人に全く助けを求めず、40分以上も掘り続けていもを取り出していた子も何人かいて、その根気と集中力には驚きました。「すぐに結果を求めず、こつこつ努力をしなさい」と子どもが態度を以て諭してくれているように思え、自分を省みると同時に、ありがたくうれしい気持ちになりました。子どもっていろいろなことを教えてくれます。