先進国における子どもの幸福度調査の第5の分野は住居と環境です。
構成要素は「住居」「環境面の安全」「住居」に関する指標は、「1人あたりの部屋数」「住居に関する問題」を用い、「環境面の安全」の指標としては「殺人発生率」「大気汚染」という2つの指標を用いています。
「1人あたりの部屋数」は過密について調べています。レポートにはこうあります。
現代は多くの世帯で少子化が進ん でいる。今や兄弟姉妹の数は4〜5 人ではなく、兄弟姉妹がいても1人、 あるいはひとりっ子が当然になって いる。同時に、離婚や別居の増加、 家族構造の変化、家庭以外での子ど もの養育(社会的養護)の増大を背 景に、多くの子どもたちは昔よりも 著しく人数の少ない世帯で暮らして いる。それでも過密状態が続いてい る場合、それは子どもの幸福に影響 する重要な要因のひとつとなる。過 密によって、プライバシーや静かに 過ごす時間、勉強の機会などが失わ れるだけではない。育児行動や子ど もの認知・情緒面の発達に対する悪 影響を引き起こし、ストレスや行動障がいのリスクが高まるのである
所見には
▶ 1 人あたりの部屋数は 1.47(ベルギー)から 0.75(ハンガリー)まで まちまちである。
▶日本の順位は 15 位である。
とあります。
「住居の関する問題」とは、
1. 屋根の雨漏り、床や壁・基礎の湿り、窓の破損[雨漏り/すきま風]
2. 暗すぎる住居[太陽光がまった く入らない住居]
3. 浴室またはシャワーなし[家族専用の浴室またはシャワーなし]
4. 家族専用の屋内水洗トイレなし[家族専用トイレなし]
のうち2つ以上の問題があると答えた子どものいる世帯の割合で比較しています。
日本は 17 位にランキングされており、子どものいる世帯の4.7%が上記4つの問題のうち2つ以上の問題を抱えている。日本の子どものいる世帯が直面する問題は「太陽光がまったく入らない住居」が最も多く、次が「雨漏りまたはすきま風」となっている。
とレポートにあり、
所見には
▶アイスランド、ノルウェー、デンマークでは、住居に関する複数の問題を 報告した世帯が1%未満でトップとなっている。
▶日本は 30 カ国中 17 位で、平均程度の成績である。
▶日本より下位にランキングした国のほとんどが東欧諸国である。
とありますが、日本では4.7%の世帯が、住居に関する複数の問題を抱えているというのは意外です。