2012年に行われたPISA調査、日本の成績はどうだったのでしょうか。その前に「結果の分析尺度」を見ておきましょう。
PISA 調査では、調査分野ごとに、調査問題の難易度を基に個々の生徒の習熟度 (proficiency)を得点化し、それを一定の範囲で区切ったものを習熟度レベル (proficiency level)と呼ぶ。習熟度レベルは、数学的リテラシー及び科学的リテ ラシーでは 7 段階(レベル 6 以上、レベル 5、レベル 4、レベル 3、レベル 2、レベル 1、レベル 1 未満)、読解力では、2009 年調査より 8 段階(レベル 6 以上、レベル 5、レベル 4、レベル 3、レベル 2、レベル 1a、レベル 1b、レベル 1b 未満)となっている。
数学的リテラシーにおいて、習熟度レベル 5 以上の生徒の割合が 多く、レベル 1 以下の生徒の割合が少ないのは上海、シンガポール、台湾、香港、韓国、 マカオ、日本などである。
という具合に、習熟度レベル別の生徒の割合で比較しています。日本はマカオに次いで8位になっています。
それにしても、第1位の上海の成績は飛び抜けています。平均得点にしても、2位以下のシンガポール(573)、台湾(560)、香港(561)、韓国(554)、リヒテンシュタイン(535)と続くのに、上海は(613)ですし、レベル6以上の割合が約30%、レベル5の割合が約25%なのに対してレベル1以下は5%にも満たないのです。日本は、レベル6以上の割合が約10%、レベル5の割合が約17%、レベル1の割合が約11%です。
男女別では、
男子の方が上位の習熟度レベルの割合が多く、女子の方が下 位の習熟度レベルの割合が多い。この傾向は、OECD 平均と同様である。
経年変化では、
日本は、レベル1以下の生徒の割合が2003年調査以降で最も少な く、レベル5以上の生徒の割合は2003年調査よりも少ないが、2006年調査以降では最も多い。2006年調査との比較におけるレベル5以上の生徒の割合は、統計的な有意差がある。
*太字部分は 『OECD 生徒の学習到達度調査 〜2012 年調査国際結果の要約〜』文部科学省 国立教育政策研究所 からの引用です