園長ブログ

新しい制度

2014/04/22

子ども子育て新システムで促進しようとしている新しい幼保連携型認定こども園は、子どもを満3歳以上と満3歳未満で分け、更に保育を必要とする、しないで分けています。「満3歳以上児の受入れを義務付け、標準的な教育時間の学校教育を提供。また、保育を必要とする子どもには、学校教育に加え、保護者の就労時間等に応じて保育を提供。」「保育を必要とする満3歳未満児については、保護者の就労時間等に応じて保育を提供。」という具合です。満3歳未満の保育が必要な子どもにのみ保育を提供ということは、この部分については、現在の保育園とそう変わらなさそうです。ただ、「満3歳未満児の受入れは義務付けないが、満3歳未満児の受入れを含め、幼保連携型認定こども園の普及を促進する。」と追記があります。

また、満3歳以上の子どもは、基本的には学校教育を行い、そのうち保育が必要な子には学校教育と保育を行う。とあります。
認可の基準といった話なので、複雑になるのは否めないのかもしれませんが、どうも現行制度があった上での議論に思えてしまいます。

全ての乳幼児が最も良く育つことができる基本的な考え方を整理し、現行制度にとらわれることなく、原点に戻って考えるにはどうすれば良いのでしょうか。

保育環境研究所ギビングツリーから、「乳幼児教育法試案」が示されているので、次に紹介します。

乳幼児教育法試案( Educational Concepts for Early Childhood)

保育環境研究所ギビングツリーでは「乳幼児教育法試案」を提案します。これは、日本で批准している強い拘束力のある国際法である「こどもの権利条約」を基に、乳幼児教育に関する基本的な考え方を整理したものです。

1.すべての国民は、生まれながらにして 教育される権利がある。

2.乳幼児に対する教育は、子どもの最善の利益が最も大切にされることが優先課題である。

3.すべての乳幼児は、その発達において、今を大切にされ、自分らしく生きる権利がある。

4.乳幼児は、人格、才能 並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達が保障される権利がある。

5.乳幼児期は、生涯にわたっての教育の基礎を培う最も大切な時期であり、決して学校教育の準備期としての教育であってはならない。ただし、人生の出発点をより強固にするために、その後の初等教育との接続を大切にする必要がある。

6.乳幼児期は、人として生きていくための意欲、探究心、社会の一員である意識、コミュニケーション能力、身体的機能の調和的発達、自律と自立などを身につけていくことが課題である。

7.乳幼児期における教育は、環境を通して行うことを基本とし、教育のために乳幼児に とってのよい環境を用意しなければならない。

8.乳幼児は、自分に影響する事項について自由に自己の意思を表明することができ、自分に関係する事項については、その策定において参画することができる。

9.すべての乳幼児においての尊厳を大切にされ、自立を妨げることを排除する。

10.ここでいう乳幼児とは、生まれてからおおむね8歳までと定義する。

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