園長ブログ

健康と安全

2014/04/17

「物質的豊かさ」が第1分野の項目で取り上げられている『イノチェンティレポートカード11先進国における子どもの幸福度ー日本との比較特別編集版』では日本の子どもが意外なまでに貧困の中で生活していることがわかって少しショックです。では、第2の分野「健康と安全」ではどうでしょう。「健康と安全」の分野は次の構成要素と指標によって比較されています。

1. 出生時の健康
⑴乳児死亡率
⑵2,500グラム未満の低出生体重児出生率
2. 子どもの予防医療の利用可能性
⑴はしか、ポリオ、3種混合(DPT3) ワクチンの接種率
3. 子どもの健康と安全
⑴1〜 19歳の子どもと若者の死亡率(死因を問わない)

1.⑴乳児死亡率は、ほとんどの先進諸国では1,000人あたり10人未満に低下しており、小さな差異は衛生設備などによるものではなく、すべての妊婦、出生、 乳児を守るために必要ないかなるサービスも提供するというコミットメントや能力の違いを反映したものだと分析しています。日本の乳児死亡率は出生1,000人につき 2.4 人で、31 カ国中4番目に低い結果となっています。日本は、医療技術の進歩がすごいのだと思います。16年ほど前、しばらくNICU(新生児集中治療室)に通う経験をしましたが、その当時でも様々な設備や技術に感心していた記憶があるので、今はもっとすごいのかと思います。

1.⑵ 2,500グラム未満の低出生体重児出生率について、日本は少し異常だと思いました。出生時の体重が 2,500 グラム未満の乳児の割合がとても高く、データが入手可能な27ヶ国の最下位、つまり、低体重で生まれた子の割合が最も高いのです。
レポートにはこうあります。「日本は低出生体重児出生率が過去 30 年間でほぼ倍増している。(1970 年代後半の5%から 2000 年代後半には約 10%)が、これは先進国の中でも特異である。専門家はこの上昇 について、低体重の女性の増加、若い女性の喫煙の増加、妊娠中に厳格な食事管理を行う傾向、所得格差の拡大など様々な原因を挙げている。」

乳児死亡率は非常に低いのに、低体重児がこれほど多いという極端な偏りは、どこか変です。設備や技術などは生まれてくる子どもにとって良い方に働いているにもかかわらず、過度なダイエット、喫煙など、女性の行動やその背景に胃ある価値観が、子どもにとって良くない方向に働いているように思えてなりません。

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