園長ブログ

ともにいきる

2014/04/09

障害者施設建設反対運動(施設コンフリクト)が起こる原因のひとつに、知らないこと、理解不足があるのですが、そもそも、「障害者」とはどう定義されているのでしょう。
障害者基本法第二条には次のようにあります。
(定義)
第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
1  障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
2  社会的障壁 障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

障害は心身の機能の障害、例えば目がみえない、歩けないなどその人が持っている性質だけによると考えられがちですが、そういった性質があるために、いろいろなことができない社会のしくみ自体にも問題がある。そのような社会と人との関わりから「障害」が生まれているととらえています。障害のある人が障害のない人に比べて不利になることが多いのですが、それはその人の機能障害のためと考えるのではなく、そういった人たちのことを考えないで作られた社会のしくみ(社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの)に原因があると考えます。そういった社会のしくみのことを社会的障壁といいます。

そして第三条には「地域社会における共生等」として共生について書かれています。
(地域社会における共生等)
第三条  第一条に規定する社会の実現は、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提としつつ、次に掲げる事項を旨として図られなければならない。
一  全て障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること。
二  全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。
三  全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。

「可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと」ですから、施設コンフリクトはない方が良いのでしょう。しかし、法律で禁止されているからといって、無理矢理では共生はできそうにありません。

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